第2話だいたいこんな感じで書いてます。
「我こそは剣の女神」
『と、彼女は名乗り出た』
まる。場所は……山奥。が、いい。山奥にしよう。
『流れるような明るい髪の毛に西日がふりかかり、血にも勝る紅。すっと通った鼻梁は知的で気高く、瞳は茶水晶のごとく。』
「それから。え、と。プロットでは……そうそう、彼女を守る少年少女たちが現れるのよね。髪は、ブロンドかな。ゴルディロックとか書いても通用するかな。ふつーに考えて、キンポウゲ色、の方がわかりやすいような……」
私、タカタカってキーボードを叩く。もう締め切りはわずか。
「えー? でも数人くらい、黒髪の子がいたっていいよね? 白人至上主義じゃないんだし」
かりかり、前髪をひっかく。おとといかけたパーマはスパイラルじゃなかった。スパイラルパーマで後頭部にボリューム出してってお願いしたのに。ふつーのパーマ。なんでわかったかって言うと、以前別の美容師さんにお願いしたとき、しっかり手もとを見てたから。スパイラルパーマ。あれって、斜めに巻くのよ。そして電熱かけて、くりくりにしてもらう。はずだったのにい。私の髪って癖があるのよ。で、ある程度長さが出るとくりって外はねしちゃう。だから、毛先をちょんちょんって切ってもらって、そこまではいい。なんでスパイラルにしてくれないのよおおお! うん。ストレス。わすれよう。
がりがりがり。後ろ頭をかいて、ノートパソコンに向かい直す。
『山間の奥に降り立った姫神のもと、戦いの気にあふれた有志が現れ、手に手に松明を持って、各地へ知らせにはせた。その肌は白、黄、赤、黒。タトゥーを施した者もいる。頭髪は短く刈り込んだ者もあれば、性がわからぬほど整えた者もおり、いずれも若き十二、三歳の少年少女たち。戦闘訓練に明け暮れ、姫神が降り立つのを地上で今か今かと待っていた』
「まる」
そこからが問題よ。なんで彼らは待ってたの。戦いがあるからよ。なんで戦うの? 誰と戦うの? そこが問題。敵は、邪悪でなきゃあ。
「わっはっはっはー! 出たな姫神。散れ、小僧!」
『と、男神はナタをふるい、使いの、じゃない使者を、その手にかけた』
まる、と。
『男神は血をふり飛ばし、ナタを放りやると、重々しい金属音をさせて、鎧を持ってこさせた』
あれ? これ、どっかおかしいな。うーん、どこがおかしいんだろう。
…
あ! 重々しい金属音、がどこにかかるか、わかんないからだ。
『男神はナタを放ると、鎧を持ってこさせ、重々しい金属音をさせて颯爽と立った』
まる。これでどうよ。
「ん……で、一行空けて、つぎ」
(だいたいこんなふうに作品書いてます)
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