無駄な格言

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「無駄は無駄と定義した瞬間に無駄となる。それが本当に無駄なのか、よく考えろ。無駄毛も場合によっては興奮の材料にできるのだから」


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■解説

 目にした瞬間に、「無駄」という単語が無駄に並び、まるで「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」と背中から何か出しながら言われている気分になる格言である。

 それはともかく、この格言については補足説明がなく、研究者の間でも「格言にすべきではない」という意見もあるほどだ。

 意見があまりにも別れすぎているため、代表的なものを箇条書きにしたいと思う。



・無駄をなくすエコロジー的な発想なのではないか。


・無駄と思った中にこそ重要なものがあるということではないか。


・無駄な努力、無駄な買い物、無駄な失敗と思っても、それがいつしか役に立つこともあるから、安易に捨てるな、むしろ活かせという教訓ではないか。


・アーダルト氏が、単に無駄毛好きだったのではないか。


・それよりもマニアックで、アーダルト氏は無駄毛をそった後の変化を楽しんでいたのではないか。無駄毛がツルツルになる快感である。



 上記の例を見ると、確かにこれを格言というのはいささか苦しい気がする。

 無駄な格言と言われても致し方ないだろう。

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