第43話 こちら聖ボスビーオ

 聖ボスビーオと言う町がある。

 その町は、火山の観光で潤っている。


「こちら、聖なるボスビーオ山の温泉卵だよ。えー、いらんかえ、いらんかえ」

 一部の者は知っているひょっとこのような売り子に出会った。

「おお、いいな。温泉卵……。豚丼に合うな」


「お、お客さん……。共喰いは禁じ手ですよ」

 ひょっとこは、踵を返そうとした。

「そのようなこと。私は豚ではないが」

 首を振り、十枚で一リールになるリリールコインをじゃらじゃらと鳴らせた。


「温泉卵二つくれ」

「毎度あり! 二つで一リリールで」


「初めて訪れた町なのにな。毎度だって。んんー。少しだけ懐かしい感じがする。……何故だろう」

 何かを思い出そうと、淀んで来た空を見つめてみた。


「粋だねえ」

 片手を下げて、商売上手のお愛想を振りまくのな。

「そうかい、じゃ、その種みたなのもちょうだいな」


「毎度あり! 粋だねえ」

 また、お愛想だな。

「今度こそ、毎度だよ。粋だねえは売り文句かい!」


「来たー! ボルケーノ!」

「ボルケーノが始まったよ! 皆、地下壕に入って」


 カーンカーンカーンカーン……。


 鐘が鳴る。

 町の真ん中から、町の隅々に、鐘が鳴り響く。


「早く! 早く!」

「うおおい、押すな」

「豪に入ったか? 閉めるぞ! いいか?」

「おい、豚のおっさん、入らねえか?」


「セクシー・ド・ヨンゲーンは、無敵である」


「ボルケーノをなめねえ方がいいぜ」

「そうよ。大やけどしちゃうんだから」


 >分岐<


 A 町民に甘える。

   第44話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884267425


 B 漢は大やけど。

   第45話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884267445

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