第42話 セクシー・ド・ヨンゲーンなり

 あかつきの空が雲間に四元豚ちゃんに一筋の光を差し込んだ。


 眩しいー!

 四元豚ちゃんは、とっさに風呂敷で顔を隠した。

 すると、中からふわふわと乙女のスマホが現れて、ぶぶぶとバイブレーションを起こした。

 そして、不思議なボスビーオ山の待ち受けが、その天からの光を一気に吸い込んだ。


 シュルルルルル……!


 土手の中でそこだけが、光っている。

 何故か、金環日食のような日の出が始まった。

 リングは、少しづつ天を目指して歩む。


 ビシャアー!


「うおおおおおおおおお! あっちもこっちも痛いー!」


 四元豚が、己の体の変化に戸惑うことなどない。

 みなぎる!

 みなぎって来る!

 体格がよくなり、体力もつき、魔力のあふれんばかりの変化を嗅ぎ取った。

 風呂敷がポトリと落ちた。


 人のような体つきをしてはいるが、ミミは四元豚の時と同じく垂れ、鼻はいささか機能性が高そうであるが、瞳はくりっとして、腕や脚などはたくましく、手は人と同じになった。

 一糸まとわぬ姿は、風呂敷を首に巻いて今はしのいだ。


 ――己が名を述べよ。


 天からの声に雄々しく立ち上がった。


「吾輩が、セクシー・ド・ヨンゲーンなり」


 うーんと大きく体を伸ばし、もう一度唱える。


「我が名は、セクシー・ド・ヨンゲーンなり」


 Ψ ……yxes!

 Ψ ed……!

 Ψ nēgnoy!


 Ψ yxes ed nēgnoy!

 Ψ ah!


 >進め< 


 □ 成功! そのあかつきには。

   第43話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884262429



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