第18話 湯気につられてたまりまひぇん

 かっぽーんって聞こえたのは、ルイ小世の聞き間違いだったようだ。

 お風呂のドアを少し開けると、そこはユニットバスだった。

 ベージュを基調にした落ち着く空間に、虹色のスプレーカーネーションが飾ってあり、美しい。

 まるで、女神の水浴のようである。

 然しながら、春美お姉さんは、バスタブにつかっている。


 ♪ ふんふんふん……。

 ♪ 子豚がぷーすけ 中豚ぶーすけ……。


 女神様作詞作曲のようである。

 可愛いでちゅ。

 おやおや、ルイ小世としたことが、失敬。


「あん。四元豚ちゃん、どうしたの? また寂しくなっちゃったの?」

 ぶひー。

「わーかった。おいで。今開ける」


 ザブリ……。


 一糸まとわぬ姿で、春美お姉さんが歩み寄る。

 き、緊張して来た。

 何が、ルイ小世だよ。

 ちっとも立派じゃないよ、小生。


 どきんどきんどきんどきん……。


 >分岐<

 分度器ではかる。

 駄洒落じゃった。

 急にときめいてしまった小生は、もうルイ小世を吹っ切れるのか。


 A ドアをノックし寂しい顔をする。

   第20話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884228552


 B お風呂にバーンと飛び込んで、そのちっぱいに埋もれる。

   第7話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884220861

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