第7話:帰還


病院は深夜を回り、僕はベットの上。

そこで僕はベルトにより縛り付けられていた。


「寝ろ」


ガムを噛みながら、姉が僕を見下ろして言う。

病院を抜け出し夕方頃ボロボロになって帰ってきた僕は、両親や病院の人達にそれはもう怒られ、健康チェック後このざまである。


母が一晩中監視すると言い出し、それをいいことに僕は姉を希望した。


死ぬかもしれない

姉さんの顔を、見ておきたい


両親の説得のすえ、姉は僕を睨みつけながらここにいる。


「2時までは目を閉じててほしいな」


その言葉に姉は片方の眉をピクリと動かし、


「よし、2時まで起きててやる」


そういってパイプ椅子を足で引き寄せ、行儀悪くドカッと座る。

そして僕にガンを飛ばしながら監視を続行した。


そうだよ、なんだかんだいって姉さんは……

うん…、乱暴だった記憶ばかりだ


「おやすみなさい」


微笑ほほえんで就寝しゅうしんを述べ、僕は考えるのをやめた。


できることは、全部やった

さあ、あの世界へ戻るぞ


昼の疲れが効いたようだ。

目を閉じると泥に沈み落ちるように、僕は異世界へ帰るのだった。


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