第5話:僕は能力者


「……」


目覚めるとそこには白い天井があった。

消毒液くさく、そこが病院で、自分がげん世界に戻ってきたことがわかる。

横を見るとたくさんのお菓子や食料に水。フルーツが入ったバスケットまで置いてある。


よし、第一ステージクリア

さすが母さん、やり過ぎだ


母は長男に過保護だった。でもそのせいで姉が苦しんでいる。

そのことを察してほしいと思う今の僕だったが、今回ばかりは感謝してもし切れない。


リンゴを取ってかじりながらカーテンを開けに行く。

窓の外を見ると、空が白み出し、日が登る頃合い。


タイミングも悪くない


そして病院のシーツに飲み食いできるものを全て包む。

それを持って、僕は、病院を抜け出した。


向かったのは近所の神社。


まずは一日一善


簡単にだが、納屋なやに置いてあるほうきで掃除する。

そして水を一杯飲む。すうっと、違世界空腹が引いていった。


今度きちんと掃除します


二礼二拍一礼。お金はないのでバナナをお供えした。

そして今度は神社の裏に周り、そこの階段を降りていく。


すると、そこには小さな池が。


…よし!

人はいない!


その池こそが、僕の選んだ最適な場所。


『とどめ』と『異端』の加護を元世界で修行するために、僕が選んだ場所だった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る