黄昏
「ひかる」
そう呼ぶ声に眠たい頭を軽く起こすと、逆光の中で手を後ろで組んでこちらを見ている女の子がいた。つややかに整えられた髪が陽に光って眩しい。ただし見ているのは私ではなく、私の前の席に座っている男の子だった。
「あ、須藤さんごめん。」
私に目を向け、起こしちゃったかな、声うるさかった?と聞く彼女に首を振って顔を伏せる。彼女は私の下の名前も、この気持ちだって知らないんだという当たり前の事実を思いながら、赤くなった耳を結びっぱなしのポニーテールでそっと隠した。
ダディケィディッド・トゥ・ザ・リリィ 幡良 亮 @northpd17
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