10 メタリックワイン

倒した瓶から零れるのは滴じゃない

それは理解不能な言語を喋る星屑

弾ける酔いがそうさせるんだ

流れに乗って現実もろとも怪我したい


料理された君の心臓が皿に乗る

誰かが僕ににえを捧げたのだろう

ゆっくり咀嚼そしゃく嚥下えんげして

粘液に絡む夢を見ている


メタリックワイン、きらめく効能

熟成された美酒には毒が盛られているのか

舌で転がし確かめれば

妄想は珍しくもない硝子の壁に阻まれて

僕の中の起爆装置で爆破する


加速止めない詩情の暴走を

止めに入った古いカミサマを返り討ち

僕の爛々らんらんと輝く眼の色に

そいつはみるみる勢いを失って

杖を落として去って行く


汚染したい汚染したい汚染したい

グラスに注がれる現実を

普く気体と化して蔓延まんえんしたい


首筋に刃物突き付けられても

今はなんにも怖くない

揮発性きはつせいの高くなった頭で宣言するよ

此処が始まりであり終わりであると

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カラフルドリンク10 キョーカ @kyoka_sos

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