09 ラムネゴールド

太陽が照らす輝きは

鮮烈な切れ味と共に訪れる


回遊魚の泳ぎに騙されて

夢見る獏の嘔吐物が

キラキラ光ってビー玉に変わる


真夏の宝石にも

消えない泡にも見えて

転がす先に真夜中の悪戯

バスルームに立ち込める臭気

どうか冷や汗かくことのないように


ラムネゴールド

そこには確かな幻があった

血を流しながら地を蹴る足が

ひとりでに道を作る安易さで


今では痙攣けいれんする手に握られた

瓶を伝う水滴が描く明日の地図

頼るほど弱くはないと掻き消した


底なし沼の水晶体

映す光景など唾棄だきすべき

呟いたのは自分自身で

困ったことに飲み干せない

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