ベルセルク編第12話結界師
闘技大会決勝戦
互いに譲らず一進一退の攻防を
繰り広げていた
アリス&ホムラ「はぁ、はぁ、はぁ」
アリス(ヤバイわね、今なら十六夜天舞は
辛うじて反応出来るけど、魔力が切れたら
反応しきれないかも)
ホムラ(後、十六夜天舞は2回が限界か)
アリス&ホムラ「!!!?」
地揺れと振動、黒のクリスタルの
影響が闘技場内にも及ぶ
アリス「ちょ!何よあれ?」
幻獣捕縛棟の方から
大量に湧き出してきた
眷属達が闘技場に迫ってくる
観客「に、逃げろー」
観客「きゃあああぁぁ!」
辺りは一瞬にして大パニックと化し
我先に逃げようとする観客で
出入り口が埋めつくされる
ホムラ「こ、これは
アークデーモンの上位種、何故こんな所に」
セフィラス「お二人共
グランドマスターからの要請です
闘技場内の民間人の避難、及び
丙種殲滅に協力しろ、との事です」
アリス「丙種?なんでこんな所に
そんなのが出るのよ」
セフィラス「緊急事態につき、
説明を省略します
グランドマスターは闘技場内に丙種を誘導
結界師により闘技場内を隔離し
ここで殲滅する意向です
私はこれより結界師に状況を説明し
支援要請しますので
お二人は他の方々と合流し、避難及び殲滅の
準備をお願いします」
ホムラ「承知しました、
アリス行きますよ!」
アリス「もぅ〜、やるしかないじゃない!」
街の外れにて
サージャ「予想外の事態があったが
これでこの街での仕事は終わりだな」
クイーン「そうね〜、まぁ、当初から
幻獣を解き放ちさえすれば目的は
ほぼ完遂した事になるわけだし〜
ついでに青魔導士も消えてくれたら
言う事ないわけだけど〜」
サージャ「何か引っかかる言い方だな
あれでは倒せないと言ってるように
聞こえるが」
クイーン「うーん、期待はしてるけど
多分無理なんじゃあないかしら?」
サージャ「まぁいい、私は報告がある」
クイーン「目的は達成したので
パトロンには追加資金の要請よろしく〜」
サージャ「ふんっ」
サージャは影の中に消えて行く
クイーン「さぁ、行きなさいスコーピオ
かつての神話の由来の如く
オリオンの心臓を貴方の毒で
汚してしまいなさい!
あははははははははははは!」
幻獣捕縛棟、地上エリア敷地内
シド「スコーピオのクリスタル、か
おまけに移植させた媒介が
幻獣のデススコーピオン
芸はないがその分厄介だな」
幻獣デススコーピオン
討伐ランクS〜SS
その名の通り、幾人もの命を奪ってきた
乾燥地帯を巣穴にする、砂漠の殺し屋
特徴はその圧倒的な攻撃力
両腕は勿論、尾から繰り出される一撃は
同型の幻獣の中でも
トップクラスの破壊力を有する
デススコーピオン
「グギゴガガガギギグゴ!」
シド「強制融合の弊害か
知性もなくなっているようだな」
デススコーピオンの尾撃は
シドに向けて何度も放たれる
シド「さて、どうしたものか」
一方闘技場内
アリス「避難粗方終わったわよー!」
セフィラス「こちらも結界師の準備は
完了しました、グランドマスターに
状況は転送済みです」
ホムラ「しかし、キリがないですね
大元を断たないと!」
避難をアリス達に任せ、
一人で眷属達の相手をし疲労が
蓄積してきたホムラ
ホムラ「!!?」
闘技場の観客席の一部が破壊され
デススコーピオンが現れる
アリス「来たわね!セフィラス!」
セフィラス「目標を確認、
結界師に起動要請、転送します」
闘技場の外側に配置されている
結界壁が起動する
セフィラス「結界壁起動確認
対象をエリア内に捕縛完了、
続いて各員殲滅シークエンスに
移行して下さい」
先程デススコーピオンが開けた穴から
シドが合流する
シド「我が道を阻むもの、灰燼とかせ
アリスの使うそれよりも小さく
日本刀のような
シドの扱うものは
より濃密な魔力を凝縮したものだった
シド「はぁああぁぁ!」
デススコーピオンの尾に斬撃を加える
間髪入れずにシドを詠唱を続けた
尾が切られ、出血しているスコーピオン
シド「
血に引火するように切られた
箇所が炎に包まれて爆破され
デススコーピオの尾が千切れ落ちる
デススコーピオン
「グギャグガギャギヤガガギヨ!」
アリス「尾がやられてだいぶ
弱ってるわね!一気に決めてやるわ!」
アリスが
デススコーピオの間合いに入る
シド「不用意に間合いに入るな!」
アリス「えっ!?」
デススコーピオンの切られたはずの尾が
超速再生してアリスを襲う
シド「!!」
アリス「あ、あ、シ、シド」
アリスを、庇いシドは左胸を
スコーピオの尾で貫かれる
ホムラ「き、きさまぁ!」
逆上したホムラが
デススコーピオに斬りかかる
デススコーピオンはシドを貫いたまま
持ち上げ闘技場の外壁へ投げ飛ばす
アリス「シド!」
ザミエル「アリス!敵から目を離すな!
スノゥ遠距離から足止めしろ!」
銃撃しながら指示を出すザミエル
スノゥ「凍てつけ!
ホムラ達が猛攻を加えるが
デススコーピオンの外皮は硬く
傷さえつかない
暫く呆けていたアリスだが正気に戻る
アリス「ぶっ殺してやる」
目がすわり、明らかに普段と
違う様相のアリス
アリスの周囲を取り囲むように
球体の魔法陣が浮かび上がる
アリス「天昇貫く万象の雷、我と汝、
つがいて、等しく滅びを
持たらさん・・・・ッ!」
シド「アリス、辞めろ
またエルザの世話に、なる気か」
吹き飛ばされたはずの
シドがアリスの腕を掴み
禁術の詠唱を止める
アリス「あ、あんた、
それ、大丈夫なの?」
シド「生憎、私の心臓はここにはない」
シドの左胸は貫かれ血だらけになりながらも
いつもの微笑みでアリスをなだめる
アリス「し、心配、した、じゃない!」
少し涙目になりながらアリスは怒鳴る
シド「ちっ、少し血を流し過ぎたか」
アリス「シド、目が」
一瞬シドの片目の白目の部分が黒くなり
眼球が紅く不気味に光る
シド「ファリネリアを
置いてきて正解だったな」
尚も暴れ回るデススコーピオン
その時闘技場の観客席から
少年の声がかけられる
「全く、好き放題やられちゃって
ラグナ商会の名前が聞いて呆れるよ」
シド「そう言うなミド、
あれ、止められるか?」
ミド「高いよー?
70万ゴールドってとこかな?」
シド「後でラーナーに払って貰え」
ミド「仕方ないね!
四神の檻、かの者に戒めを
火、水、風、土の4本の柱が
デススコーピオンを取り囲み自由を奪う
ミド「10秒しか保たないよ」
シド「全員離れろ!」
シドの号令に呼応し退避するホムラ達
シド「荒廃の嵐、現世に来たれ、
その咎をもちて、全てを焼きつかさん!
デススコーピオンの上空に
大火球が召喚され瞬く間に
それはデススコーピオンを覆い尽くす
シド「コアごと消し炭になるがいい」
凄まじい業火が辺りの酸素を飲み込み
ひたすら燃え上がる
炎が収まると先程まで
デススコーピオンだった塊が
黒い霧になり飛散した
シド「ふぅ、助かったよ、ミド
だが出来ればもう少し早く来てくれ」
ミド「無茶言わないでよ
これでも外の結界組んでから
来てるんだから」
シド「外の結界はお前じゃなくても
起動できるだろう」
ミド「他のぼんくら結界師に
僕が作った結界をあれこれ触られたくない」
シド「やれやれ」
アリス「シドそいつ誰なの?」
シド「あぁ、こいつは結界師ミド、
口は悪いが結界師としては優秀な奴だ
たまに商会の手伝いもしてくれている」
ミド「あーあー、闘技場に設置してあった
僕の力作がボロボロになってる」
アリス「また変なのが増えたわね」
ホムラ「また?それは誰の事ですか?」
アリス「もう今日はいいでしょ?
本当お互い疲れてるわけだし」
ホムラ「先程の決着はいつかつけます」
アリス「はいはい」
ザミエル「スノゥも初陣よくやったな」
スノゥ「よく覚えてません!
無我夢中でした、てへへ( ´∀`)」
アリス「あー疲れた、休みたいー」
シド「セフィラス、ラーナーに現状を伝えろ
これからがまた大変だな」
一方街はずれでは
クイーン「やっぱり駄目だったかぁ
まぁいいわ、闘技場関係者にはどちらにせよ
痛手になるだろうし、青魔導士の実力を
見る限り、神格級の幻獣と
白のクリスタルの融合体なら
問題ないでしょう
楽しみだわ、あはははははははは!」
こうして幻獣の脅威は去った
だが闘技場関係者の幻獣捕縛棟での
禁止行為が明るみに出ることとなり
関係者の一部はラーナーに
責任を押し付ける形で事の
収束を図ろうとするが
闘技場のスポンサーである出資国へ
ラグナ商会からの陳情や根回しがあり
ラーナー個人への処分は破棄された
しかし闘技場運営には市民からの
疑念の念が残る形となってしまった
そして物語は南の島へと続く
次回予告
第1章リゾート編
第13話幻獣の幽霊?
Qualia Quest ─雷の章─ 片翼のクシャトリア @5528150
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