第11話 ネガぶたぽんさんと師匠ヅラする僕

僕は幼女戦線(紅きランドセルの肖像)に巻き込まれる前に退店した。

交差点は炎に包まれていた。

「錆びたドア開けるやいなや紅き空」

素晴らしい。一句できてしまった。季語はないけどな!


異世界転生受験の参考書は買えなかった。

というか売ってもらえなかった。本屋だろ!なぜなんだ!

悔しくて神保町駅を使わずに秋葉原まで歩いた。

幼女と接していたら変な気分がしてきたのでわりと幼めのメイドカフェに行くことにした。


そんなメイドカフェなんかなかった。

タンクトップな外国人とショートパンツな外国人に長時間挟まれ、汗を垂れ流しながら秋葉原をさまよった。

「らちがあかない!けっきょくケパブ食べちゃいそうだし!もしくはちょっと足伸ばしてたい焼きとか!!」

飯テロに目的が変わりそうなので、SNSに助けを求めることにした。


秋葉原のことなら〝ネガぶたぽんさん〟!


ネガぶたぽんさんは、《異世界・幼女・ヒール》でプロフ検索をかけてヒットし、フォローした方だ。

フォローしたときに挨拶をするかどうか...フォロバされてから「ふぉ、フォローありがとうございます!」をするのか、当時はめちゃくちゃ悩み抜いたものだ...

けっきょく、「はじめまして!異世界転生、いいですよね〜!幼女とヒールというエースワードにも惹かれ、フォローさせていただきました!もしよかったら仲良くしてください!いきなりすみません...」みたいな文章を添えてフォローした。ネガぶたぽんさんはフォロバしてくださり、それから僕たちはネット上で交友を深めていった。


ネガぶたぽんさんはときどき「自分に自信がない...見た目も中身も...」とネガつぶやきをする。

僕はなんだか偉そうに「人生というのはあ〜あ〜男というのは〜見た目も中身も気の持ちようという精神があ〜」とコメントしたりした。師匠気分、アドバイザー気分を味わっていた。


そんなことはどーでもいい。

僕はネガぶたぽんさんに「秋葉原でめちゃくちゃ幼女なメイドカフェないですか?」とDMを送った。すると「え!微笑みくそ師匠さん(僕のハンドルネーム)アキバにいるのですか?自分もいます!よかったら会いませんか?」ときたのだ!!!


SNSで交流している方とリアルで会ったことはない...

緊張してきた...

いつも師匠ヅラかましてるだけに...



つづく

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◇◇◇ 幼女がランドセルに火種スライムをぶっこみぐるぐるまわして炎を発射! ◇◇ スライム地獄 @misucoffee

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