第10話 ランドセルから炎、そして幼女への狙撃!!

「あ、スライム」

赤いランドセルから10匹ほどの赤茶色のスライムが零れた。

「え?なんでスライムなのにそのリアクションなの?」

そんなに驚かなかった僕に、幼女は驚いた。

「だって父さん半分スライムだったもん。家出るとき、家出る直前に」

「そういう理由だったんだ」

「うん、で、この小ちゃいスライムたちは...」


バンッ!!


「はにゃ!危ない伏せて!」

幼女が叫んだ。

銃声だ!明らかに銃声だ!!

僕は思わず幼女に包まった!

「はー!なにしてんのぶっ飛ばすよ!」

幼女はそう言いながら僕を抱きしめた。この子、優しい。

「一体なにごと!?」

「狙撃よ!はにゃ!」

「なんで!」

「扱ってるものが扱ってるものだからね、この店は!」

「そういうものなの?」

「大体そうよ!いくよ!はにゃ!」


幼女はランドセルに赤茶色の(逃げようとする)スライムたちを捕まえては押し込めた。

そしてランドセルの蓋をし、その小さな手でぐるぐる廻した。

「それどーゆー意味があんの!?」

「すぐにわかる!」


幼女は窓を開けて、自身はしゃがみ、ランドセルだけを外に向けた。

「あすめたる、ろんぐすすてぃつ、あすたららいさ!!」

そう叫ぶとランドセルから炎が飛び出した!!!!

「ええっ!!」


炎は神保町を駆け巡った。

古書店街に炎とか最悪だ!!」




つづく

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《character.5》


むむみ...10歳くらいの幼女。ツインテール。身長125cmくらい。赤いランドセルを背負いながら異世界専門書店「異世界堂書店セカンド」の店番をしている。そのランドセルは火炎放射器の役割を果たすとか果たさないとか。

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