第9話 幼女から本を奪い取る・・・鬼2017

「むむみから本を買いたければお兄ちゃんっぽさをぞんぶんにみせなさい!!」

「えー!難しいかも!ぼく、ねっからのひとりっこだから!」

「ここにある本はわたしの妹たちなの!!」

そういうと幼女店員・むむみは書物たちを小さな胸におしつけた。


「訊きいていいですか?」

「どうぞ、えっへん」

「その、本たちが妹ってことは、ぼくたちに向かって『お姉ちゃんっ』とかささやいてくるのですか?もしくはそう聴こえたり...」

「気まぐれだけどな!」

「やばい!かっこいい!!」

「でしょ!えっへん」

むむみは偉そうに、そしてとても満足げで誇らしげに、腰に手首をあてて小さな胸をそらす。


「一番『お姉ちゃんっ』って言ってくれる本はどれですか?」

「う〜ん、これかな」

そういうと、むむみは一冊の本を天に掲げた。

それは《妹しかいない世界.エグゼクティブ公式ガイドブック》という本だった。

「それ買います!ぼくもお姉ちゃんと呼ばれたい!」

そういうとむむみから本を奪い取った。

「!!!!」

むむみは叫ぶことも暴れることもなく、バタリと倒れた。

倒れた拍子に赤いランドセルがパカリと開いた。

「え?」

ランドセルから...

落ちてきたものは...



つづく

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