齟齬

 さてさて、「彼」はタカン語をしゃべるようなので、タカン人の友人を呼び出そう。


 受話器を取る。


 "aim2 hop1 kak yn2?時間ある?"


 "a? ua nan2?ん?何?"

 "a...あー、pai2 aim2 naip2. 仕事中だけど。"


 "ua, ka1 mok1 mun1.じゃあ、この件は無しで。"


 "a? nan2 ze1 yn2?えっ、それは何?"


 "em takan sak2 ta.タカン人っぽいのが来た。 "


 "ie mua2 a hue yn2?そっちに?"


 "aim2.うん"


 "a...あー、pai2 mok1 zep1 uai1.あ、ちょっと上司に言ってくる "


・・・


 "uai1 zep1 mok1 kait.上司が行っていいってさ。"


 "a? put a?え?ほんと?"


 "zep1; bau2 cuk2 aim2,困ってる人がいたら ua ly uaip2.助けろって"


 "em, tam2 hue a uai1!皇処の将みたいだ!"


訳者注:「皇処の将」とは人のために自分を犠牲にする人のこと。パイグ将棋の用語。


 "ua, ni1 kak a mok1!じゃあ、すぐに迎えに行く。"


ガチャ。


さて、迎えに行くか。


「アイル共和国は少額で私を広報する!」ような男ならまあ、一人にしても何とかなるでしょう。


まあ、1片時もあれば往復できるし。


訳者注:1片時は100分の1日。


さて、さっそく、ご対面。

先制したのはクワバの方だった。あ、二人ともクワバだ。

えっと、倉庫にやってきた方。あ、両方うちの倉庫に来たことがあるな……。

えっと、方。


あれ?


通じていないぞ?


客人の腹の音が響き、外に出た目的は食事だったとやっと思い出した。


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転生異界、熱烈接待。 針谷諒太 @yasusho

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