第2章 

「ゆーりー!!ごはんだよー!!」

ふぁぁぁぁ…、朝か…。

小鳥のさえずり、白く輝く朝日。

暑くなく、かといって寒すぎず。

春の朝はとても心地よく、眠気を誘う。

今日も母さんに起こされてしまった。

僕は急いでベッドの上から立ち退き、一階の食卓室に向かう。

そこには軽快に朝食を机に並べている僕の母さん、勇希(ゆうき)がいた。

「おはよう、おねぼうな我が息子よ。」

僕の母さんはとても気品あふれる人できれいな金の髪をゆるく一つ結びしていた。

「おはようー。」

「おそようございます、バカ息子が。俺を遅刻させたいのですか?」

で、こっちのこわーい笑顔をしている人が僕の父さん、三月(みづき)だ。

笑っているはずなのに、目が笑っていないように見えるのは気のせいだろうか。

「おはよー、父さん。ごめんね、また寝坊しちゃった。」

また春に負けてしまったのだ、許してくれ父よ。

父さんは食後の紅茶を優雅に飲みながらにやりと笑う。

「急いでしたくするように。今日は私、八時から仕事ですから。」

そんなの今初めて知ったんだけど!!

毎朝父さんと森に行って剣の稽古をつけてもらっているのだ。

今からでも二時間もできないし!!

「そういうことは昨日のうちに言っておいてよ!!」

と、しゃべる時間も惜しいので母さんの作った朝食をおいしくいただきつつ、急いで食べた。

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決めてないです(募集中) ごーぐる @goguru

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