第5話 狂気の帝


容夏ヨンハ、問題無いか」


 偵察総局の外事部兼特務部次長の"キム才文ジェムン"が顎を親指と人差し指で挟むように撫ぜながら金容夏に尋ねた。


「順調であります」


「お前の評価は本局にいても相当に高まっている。李副局長 はお前を指して “偵察総局の新星” と呼んでいるよ。今の調子で精励せいれいせよ」


「ありがたいお言葉。身命をして任務を遂行致します」


「うむ。これから新たな動きがある。最高司令官が重大な御勇断をなされたのだ。明日世界に向けて発表する。これに併せて幾つかの策動を展開する」


「策動……でありますか」


 金容夏は怪訝けげんな面持ちを隠しきれず金才文に尋ねた。


「 “脅し” だ。本格的な戦いに向け、小日本の体力を……分かるな」


「警戒レベルを上げさせ、警察・自衛隊の体力を更に分散的に使わせると……」


「うむ。“福井県の原子力発電所” で騒ぎを起こす。しかし致命的な事態までは発展させない。米国介入の懸念があるからな。南でも大きな仕掛けを用意している。これには青瓦台せいがだいもさぞや驚くだろう」


「それで……最高司令官の御勇断とは……」


「“希望星ヒマンピョル” に核ミサイルの発射判断を委ねることが決定した」


「コンピューターに……で、ありますか」


 金容夏は耳を疑うと同時に、直感的に「遂に狂ったな」と想察そうさつした。


「その通りだ。鬼畜米国が下手な動きをすれば確実に核を用いることになる。南にいる諜報員からの情報では、米国の特殊部隊が南に追加投入された。 SEALsのteam6だ。既に駐留しているteam5との合同で暗殺作戦を画策している節がある。今回は本気かもしれない。だからこそ明日発表をするのだ」


「暗殺……まずいですね」

 

「いや、明日の発表を見ていろ。は戦慄し、身動き出来なくなるだろう」


「しかし思い切った御勇断ですね。南には私も行きましょうか?」


「" 偵察総局の龍虎 " 金鳳學キムボンハク朴海鳳パクヘボンの2名を投入している。大丈夫だ。彼らには南でのをさせた上で福井の作戦に投入する。作戦名は “ あかつき明星みょうじょう”だ 。

 お前は金・朴と合流し作戦を実行せよ。 失敗をして痕跡を残せば戦いの火蓋ひぶたが切られることになる。しかしまだそれは早い。それ故、お前達最精鋭を投入するのだ」


「了解しました。お任せください」


 金容夏はうやうやしく頭を下げながら、感知した鳴動めいどうの兆しに心をたかぶらせていた。


「それにな、一部の高官しか知らない事実だが、平壌にいる最高司令官は “ダブル(影武者)” だ。耳の形がやや違うが、一瞥いちべつする限りでは見分けがつかない。

 最高司令官は先々月までは3日おきに居場所を変えていたが、今は白翎島ペクリョンとうの秘密施設に長期滞在している。まぁ何かあれば中国への脱出経路は確保しているがな」


 金才文はスーツの胸ポケットに収めていた黒いシガレットケースから煙草を1本取り出し、シルバーのイギリス製高級ライターで鷹揚おうように火を点けた。


「存じ上げませんでした。中央放送に出てくる最高司令官もですか」


「そうだ。暗殺の際に顔照合された場合に露顕するからな。からダブルを見せておけば……という事だ」


 金才文はほほをへこませて勢い良く煙草を吸った後、その思慮深い眼をつむりながら、細く長い煙をちゅうに向けて吐き出した。


 金容夏と金才文はの2人は、多摩地区 移民街にある取り壊し前の廃墟ビルの一室に居た。


 長い間使われていない薄暗い20畳ほどの部屋には事務机が幾つかとソファが放置され、の入ったガラス窓から射し込むサーチライトのような光条の中を、回遊かいゆうするほこりの粒子がただよっている。


 金容夏は直立し、金才文は長い脚を持て余すようにして組みながらソファにし、外から射し込む光条をまぶしそうに見遣みやりながら煙草の煙を再び吐き出した。


 金才文は北朝鮮国内の外国諜報機関の取り締まりを担う “外事部” と日本・韓国を始めとするアジア方面における諜報・工作・陽動活動の総轄する “特務部” という2つの重要セクションのキーマンで、階級は佐官としては最上位の大佐である。

 35歳にして栄位にくこの男は、平壌に本部を置く政治軍事大学を主席で卒業後、偵察総局に入局し、その卓抜な判断力と緻密な思考をフル活用して着実にステップアップしていた。

 

 引き締まった181cmの痩身、こけた頬に尖った鼻と顎、薄い唇、あおい野心の炎をたたえる切れ長の眼が、神経質と犀利さいりの化身であることを物語る。濃い縦縞たてじまが入ったイギリス製の三つ揃えをビシッと着込み、シルバーメタリックのアタッシュケースを携えた彼の出で立ちからは寸分のすきすら見出すことは出来ない。


 日本の公安当局は中国経由で3ヶ月に1度は日本を訪れる金才文をマークしていた。


 2032年 通称 治安維持法の施行に併せ、新たな監視システムが導入されるに至った。

“CONFACE(コンフェイス) ”と云われる高度顔認証技術を用い、ありとあらゆる画像・動画データから拾った顔情報がタンキングされDB(データベース)化が始まった。


 当該DBは警視庁が全国に設置した129,000台 の AI制御高解像度監視カメラと直結しており、マーキングした対象者をトレース出来る態勢が整備されているのだ。


 この 監視態勢は“対テロ監視総合システム” 通称 “Kaleidoscope(カレイドスコープ)” と命名され、警視庁を主管として監視網の更なる拡張が推進されている。


 顔情報の内、テロ懸念人物、政治犯、他国軍関係者などに該当する者を "SA情報” と云われる注意対象情報として分類し、警視庁管轄組織である " 警視庁治安監視センター ”にいて24時間モニタリングをかけている。

 そして動きがある度に公安当局を始め複数の機関に情報連係がなされているのだ。


 ICBM発射成功の報を伝える北朝鮮のプロパガンダ報道で使われた映像の中に金才文が映っていた為、これを契機として彼の顔情報がSA情報として登録され、金才文がマーク対象に指定されるに至ったのだ。


 公安当局は、金才文が来日する度に追跡尾行をしかけているが、諜報員としても一流の技を持つ金才文に毎回見破られ見事に巻かれてしまっていた。


「ところでマイクロチップの調子はどうだ」


「すこぶる良好です。読むもの見たもの全てが頭の中に動画のように残っています。2ヶ月前の出来事が録画ビデオを巻き戻すように確認出来ます。ただ、どんな下らない事であっても記憶から消せない事が気になります。試しに日本の六法全書を読んでみましたが、見た部分は完璧に覚えています。憲法9条の部分に黄色いシミがあったことすら記憶しています。面倒で途中でや止めましたが」


「そうか。まとめて覚えるなら、以前に伝えた通りデータ伝送すれば簡単だ。必要な情報があれば言ってくれ、情報パッケージを用意する」


「了解です。一応報告しますが、東京にいて、私が把握していなかった特殊部隊が活動を開始しています。見たことのない武器類を用いるようで手強いと部下が申しておりました」


「それは ノーマークだったな。調べよう。警視庁に2名」を飼っている。何か分かるだろう」


「南の “特戦司(特殊戦司令部)"や米国のteam5もなかなか厄介ですが、倭人部隊は強さの毛色が違う。今後の活動に少し影響を及ぼすことが懸念されます」

 

「お前も情報収集を頼む。それからお前に2つ朗報だ。1つめの朗報だが来月1日付で大尉から "少佐” に昇官する。

 それからもう1つ。優秀な部下をひとりつけよう。こいつは百人力に匹敵するほどの戦闘能力を誇っている。だが決して脳が筋肉で出来たようなうすら馬鹿ではない。お前と同じ “トランスヒューマン” でもある。

 " 崔虎珍サイホジン ”という男で階級は" 特務上士 ”。若いが極めて優秀。勇猛ゆうもうというか戦いの場では獰猛どうもうと表現しても良いかもしれないな。必ず役に立つはずだ」


「ありがたいです。いつから」


「外で待たせてある。もったいぶろうと思ってな。今呼ぶ。崔を投入する意図は小日本での活動を更に活発にしてもらう事にある。

 鬼畜米国の追従勢力である小日本に、更なる混乱を与えるようにとの上層部の意向によるものだ。噂が本国にもとどろくように派手にやれ」


 金才文は片頬だけを持ち上げて不敵な笑みを金容夏に向けた。その怜悧れいりさの象徴とも云えるような切れ長の眼の奥には嗜虐性しぎゃくせいを帯びた蒼白い炎がかすかにうかがえる。


 金才文は旧型の携帯電話を使い崔虎珍を呼び寄せた。偵察総局の特務部ではハッキングを恐れて市販のスマートフォンをミッションの中で使用する事を禁じていた。その代わりとして、耐久性・防水性・情報機密性を極限まで高めた携帯電話が支給されていた。

 当該携帯の通信は北朝鮮の持つ軍事衛星に依拠しており安全性が確保されている。


 崔虎珍は5分と経たない内にやってきた。


「金大尉、崔虎珍特務上士であります。身命を賭して補佐致しますのでよろしくお願い申し上げます」


 崔虎珍は24歳。 190cmになんなんとする身長に加え、長く太い手足と分厚い胸板と絞り上げられた腹筋が白いYシャツ越しに窺えた。

 短く刈り上げられた髪に日焼けした肌、太い眉毛に堂々した高い鼻、そして人を威圧する熱波を放ち続ける眼が印象的だ。


「実戦経験と直近のミッションは……」


「大小の特任事案に参加、通算18回約550時間であります。先月のミッションで南の “海軍特殊戦旅団” 所属の2名を本国に連れて帰りました」


「米国のTeam6が南入りする情報が得られたのは崔のおかげだ」


 金才文が崔虎珍のげんを補完するように言葉を差し込んだ。


「頼もしいな。手練てだれ揃いの海軍特殊戦旅団の猛者もさ達を2人も。そもそも特殊部隊の人間だとよく特定出来たな。名簿でもない限り通常は難しい。彼らは作戦行動時には黒いマスクをしていて顔も視認出来ないはずだろ。そこはどうした? 」


「はい、大尉。そこはそれなりの "ぎょく " は使いました。現状、南は長期不況の真っ只中にあります。国民の多くは先々の不安感にまみれています。法改正により今や公務員とて安泰ではない時代です。大金が手に出来るとなれば口も軽くなります。他にも色々と手を尽くしました」


「崔特務上士、貴官の知恵と腕力は良く分かった。当面は私が運営している “移民街”というコミュニティに身を置いてもらいながら活動してもらう。良いな?」


 金容夏は崔と握手交わし、その肉厚の手から伝わる熱く力強い波動を感じて眼を細めた。


 2031年1月、北朝鮮は "国家改革大綱 頭脳強国” を発表。大陸間弾道弾ミサイルと核の超小型化に成功した同国は、ミサイルと核開発への資源投入をドラスティックに縮減し、インターネットを用いた情報戦技術の開発とAI開発への資源集中投下を開始した。

 同時にハッキング集団 180の増強を図り、各国の政府機関・研究施設・企業・大学・科学者個人から科学技術情報の掠取りゃくしゅを開始。これにより自国の科学技術進展を著しく進展させることを企図した。


 AI開発にあたっては従来の性能をはるかに凌駕りょうがするスーパーコンピューターの確保が絶対条件として設定され、「量子コンピューター」を越える別次元のコンピューター開発に傾倒していった。

 イギリスを始めとする各国の有能な科学者を拉致し、DNA分子を活用する「非決定性万能チューリングマシンコンピューター」の開発に着手した。いわゆる「DNAコンピューター」である。


“国家改革大綱 頭脳強国" の発表と同時に“ 東アジア融和ゆうわ促進宣言 ”を発表し、軍事力拡大停止と関係国との友好関係促進に注力してゆく旨の宣言を行い平和国家へシフトしていく姿勢を示した。


 実態は "時間稼ぎ” に過ぎない策であったが、この策が国際世論を味方につけることに寄与し、軍事介入や国交断絶などの強硬手段を検討していた米国の動きを封じることに成功した。


 ロシアを始めとする友好国から非公式に借款した7,000億に加えて、自国の福祉、国家インフラ構築などを捨てて搾り出した年間4,000億、開発期間通算7年で2兆8,000億、計3兆5,000億もの巨費を当該コンピューター開発につぎ込み、2030年10月に遂に完成を果たした。

 年間4,000億の拠出は、北朝鮮の国家予算規模を考えれば全精力投入に近いものがあった。「金王朝」存続に向け背水の陣を張る同国トップの気概、覚悟を現していたのだ。


希望星ヒマンピョル」と名付けられた北朝鮮製の「新型AIスーパーコンピューター」は、軍事・経済・政治等、ありとあらゆる分野で活用され同国の著しい成長を促した。

 いつ潰れても可笑しくないと評されていたエキセントリックな国「北朝鮮」は、2037年現在、列強の大国をも凌ぐ程の科学技術水準に到達させるに至った。

 それはイリーガルな手段すらいとわない無制約・無原則な独裁政治の所産しょさんであった。


 2033年5月、北朝鮮は、国家運営方針を経済強化にシフトし、スローガンを「頭脳強国」から「経済強国」に切替した。


 韓国・中国・パキスタン・ロシアなど各国の企業誘致を図り、また合弁企業の設立を始め、経済的発展の足がかりを着々と進めていった。世界各国との結びつきを強化しながら、国を富ませ、戦略的核兵器と世界最高水準のスーパーコンピューターや綺羅星きらぼしの如き人材層を活用し、過去の孤立的国家運営からの完全脱却に成功し、GDPは倍倍ゲームの様に膨張拡大していった。


 更にICBMミサイルに搭載するための核爆弾の超小型化・威力増強に成功した。

 それは "Ultimate Hyper Atomic Bomb (UHAB)”と云われる究極の核爆弾であり、それまでの軍事バランスの様相を一気に変えた。100メガトン級(広島型の6,000倍)に相当する当該核は地球上最強のほことなった。


 またこの年、中国・ロシア・北朝鮮·韓国・英国・パキスタン・イラン・シリアの国防相がスイスのローザンヌに参集し「8カ国安全保障同盟」を締結した。

 後に “ローザンヌコミットメント” と呼ばれるこの安全保障同盟締結が、米国・日本に対して大きな衝撃を与え、中国並びに米国の其々それぞれを軸とする勢力に二分にぶしていく契機けいきとなった。


 この同盟において衝撃的であったのは、中国と経済的に厳しい状態にあるとはいえ未だ軍事大国であるロシアが手を結んだこと、米国とつながりの強い韓国・英国が同盟入りしたことがあった。

 韓国は、台頭著しい北朝鮮が中国と政治的・経済的な関係強化を図っている状況に焦りを覚えると同時に、地政学的な観点から、世界一の軍事・経済力を有すると云われる中国を敵に回して生き残りは不可能だと判断したことにあった。

 英国もEU離脱後から中国との経済的結びつきを強化しており国家存立の上で米国よりも中国の方が高メリットであると判断したのだった。


 

 2037年11月22日 9時15分

 独裁政治の醜悪さと兇悪さが交尾をして産み落としたグロテスクながらの卵が、熱量の高いエゴイズムに温められ、遂に孵化ふかしてしまった。


 世界を震撼させる声明発表を高らかに発出したのはであった。


「我が国の高い科学技術力の結晶である “ 希望星 ”に軍配を委ねることを決定した。

 鬼畜米国とその犬どもが我が国を侵犯する態度や発言をした場合には、無慈悲な懲罰がに与えられることになるだろう」


 これには北朝鮮の同盟国からも非難声明が相次いだが、が、吐き出した台詞せりふを受けて沈黙した。


「その非難は我が国に対する挑戦なのか」


 北朝鮮の国防科学院の李昌河リチャンハが、の声明を引き取り話をつないだ。


「我が国の誇る“ 希望星 ”が判定するのは、各種軍事コンピューターから連係される情報、例えば「敵対国の戦闘機による領空侵入が1時間以上継続した場合」「敵対国の戦略兵器による我が国施設の破壊」「敵対国からの先制攻撃情報の内、蓋然性が極めて高いと判定される場合」「敵対国の高官が我が国を致命的に害する意図を含んだ公式声明を発した場合」などの細かな想定パターン2,392通りをあらかじめインプットしている。

 その他類似ケースなどもAIが判定して核ミサイルを発射するシステムを構築した。よって我が国に下手な手出しは慎んだ方が良い。身の為だ」


 このシステムには、人間的な情緒が招く躊躇ちゅうちょや迷いは微塵みじんも含まれていないのだ。


 AIにより発射判断が為された後、3時間以内にミサイル発射準備が完了し、躊躇無く狂気の咆哮を上げる。

 それを止められるのは同国の国家元首だけであり、しかも発射停止判断はAIによる判断の後、1時間以内と定められていた。


 国営放送を使い発表されたこれらの声明は戦慄と絶望がい交ぜになった負のもやを発生させ、次の打ち手を模索する敵対国首脳の思考の出口を隠してしまった。


 狂気の声明発表を祝う為に金日成広場に集められた平壌市民30万人に対し、にこやかに笑顔を振りまき手を振ると同じ顔をした男が朝鮮半島の西に浮かぶ白翎島ペクリョンとうの秘密施設に居た。


 途轍とてつもなく非常識な国家構想を実現に導くこの男は、押し潰されそうなプレッシャーと恐怖の中で精神の均衡を次第に失いかけていた。


 この男こそ北朝鮮の最高指導者であり、最高司令官や中央委員長など、多くの肩書きを有する策謀の首魁しゅかいであった。


 この男がキャンバスに描く“ 国家構想 ”にも当初は美しく清廉な要素もあった。

 しかし覇道主義はどうしゅぎの亡霊に取りかれて以降から異常とも云えるほどの猜疑心さいぎしん星火燎原せいかりょうげんごとく心をむしばんでいった。

 遂には腹心や身内すら信用出来なくなった彼は、孤独と恐怖の中で精神をいちじるしく摩耗まもうさせ、唯一安心出来る狂乱の部屋に疲弊し切った精神を逃避させた。


 今やのキャンバスに描かれる“ 国家構想 ”は、倒錯と狂気をり込んだ極彩色ごくさいしょくの絵の具で色付けされ始め、“ 彼にとっての理想郷ユートピア” “ 他者にとっての地獄絵図” を完成させようとしていた。


 彼のかたわらには、今、彼が心を許せる “唯一の存在” が微笑びしょうを浮かべながら寄り添っている。


 その存在は世界をカオスに導く “争いの女神 エリスの化身” であることに “ 狂気の帝 ” が気づくよしもなかった……

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ペルセウスの憂鬱 遊木風(ゆきかぜ) @yukikaze2908

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