第3話無職たちへの応援歌

 てめーら、いいから働くな。全力でサボれ。

 人には向き不向きってもんがあんだよ。今どきはみんな会社員でもやるのがわりと一般的だけどな。会社員が向いてるのは、集団に和して組織の歯車として働くことで真価を発揮するタイプの人間だけだ。体力勝負が向いてる人、頭の回転が早い人、容姿や人柄に魅力がある人。ストレスを自分にあまりかけずに努力するのがうまい人、本などから知識を蓄えるのがうまい人。十人十色、いろんな性質の人間がいんだよ。どいつもこいつもサラリーマンやってたら、心がゆがむ人間そりゃ出てくるわ。

 生活が苦しくて選択肢なんてない人もそりゃいるだろう。そういう人はそういう人で、その苦境をバネにして伸びることができる性質持ってる人であることが不思議と多い。なので、そういう人はガンガン伸びるといい。そのうちもっといい環境に出会えるさ。

 とにかく、とりあえず働こう、なんて思わず、環境が許す限りサボれ。人間、メシと水と住処と衣類がありゃ生きていけるんだ。風呂とトイレも欲しいかな。

 趣味にでも興じてるうちに、自分の性質が見えてくる。それを元に、どんな職が向いているか、自己分析するんだ。そうすりゃ、おのずと答えは出るさ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

菊池の応援歌 @kikuti_yunta

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る