4-18 冒険
「――というわけでした。じゃあね」
どう見ても
四年後、あれよりはるかに大きな
まぁ、なんとかなるって気はしないな。
博士とやらの言う通り、知らないほうがよかった。
「エバンス!」と、ドラ子が力強く俺を呼んだ。
それから、「隠し事してて悪かった。お前が行きたいって言うんなら、
「全力の
「……」
〝回転〟か。イチかバチかだな。
「なぁエバンス、お前は未だに、安全な〝冒険〟しかできねぇのか?」
「……」
「もう違うだろ?」
「ああ。俺は本物の冒険者だ」
〝
行け、ドラ子。
俺は体を大きく捻って、最高の仲間をブン投げた。
激突。
接点から激しい火花。その眩しさに思わず目を細める。
押し合いはさほど長く続かず、ドラ子が制した。
切断された
ドラ子は空中で方向転換して、〝二番〟に突っ込んでいく。
当たった。
――と思った瞬間、二番の姿は消えた。
ドラ子が地面に墜落して、土埃が激しく舞い上がった。
「残念。そっちは
俺たちが
「バカだね。回転攻撃のあとの長い
「バカはテメェだ」と
「がっ……!」
空間から血がしたたって、覆面を切り裂かれた二番の姿が現れた。
「テメェがバカだと言える根拠は二つ。
①
②あたしが弱点を克服しないわけがない」
「……認めよう。一本取られた」と言って、二番は足元の地面を逆三角錐型に切り取り、浮上した。
「覚悟があるなら、やってみなよ。でも、僕らに本気で抵抗するには、世界中の使い手にこの話を信じさせて、統一戦線を張らなきゃいけない。今の時点で僕らの本部にさえ辿り着いてない君たちじゃ、難しいんじゃないかなぁ」
ドラ子は人間型に変わって仁王立ちになり、「うるせぇ! 〝冥途の土産〟の次は〝捨て台詞〟か? お子様は発想が貧しいな!」とわめき散らした。
「……」
二番は、浮遊する地面に乗って去っていった。
「ドラ子!」
俺が駆け寄っていき、ハイタッチをしようとすると、「あー、ちょい待ち」と言って、ドラ子は地面に座り込んだ。
「ははは、ちょっと見栄張った。実はまだ克服しきったわけじゃないんだわ」
(了)
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