4-15 信仰
俺は地面に這いつくばっている。
起きようとすると、打撃が降ってくる。
這いつくばっている間、打ってこないのは、その必要性を感じないからだろう。アルベルトの盤面において、俺はもう詰んでいる。
ここまでの攻防で、
アルベルトの――しかも四人いる――洗練された動きに、俺はついていけなかった。
「……」
このまま負けるのか、俺は?
キース教の信者に?
……そんなこと、あってたまるか。
虚を突け。
あれが強力な魔法の予備動作だってことは、アルベルトもすぐにわかったはず。わかったからこそ潰しにかかってきたんだ。
なら、これでどうだ?
這いつくばったまま、
つまり、ただの
四人のアルベルトは、反射的に腕で顔を覆って防御姿勢を取ったが、所詮は
俺は、よく知っているものなら、召喚できる。
「……?」
よし、奴は意味がわかっていない!
この偽アルベルトを操作して、隣のアルベルトに肘打ちを繰り出す。
オリジナルにかなうわけもなく、前蹴りで返り討ちに遭う。
けれど、俺が
「
紙一重で、アルベルトたちに囲まれている俺は、打撃の嵐を受けて魔法を阻止された。
計算通り。
「囲まれている俺」も召喚体、
本物の俺は
食らえ!
「……アルベルト、お前、本当にキース教を信じてるのか?」
「……」
「レオンから強引に誘われて、断り切れなかっただけなんじゃないのか? なぁ、そうなんだろ? 全部あいつの独りよがりだったんだよな?」
「……」
「そうだって言ってくれよ、頼むから」
「……〝そうだ〟」
……はは、馬鹿にしてやがる。
わかった。もういい。死ね、狂信者。
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