4-14 誠意
伸縮自在のタカゲタと、縦横無尽に跳ねる先生の鞭。
火薬を含む数種の粉末を使い分ける居合い術と、テオ流でのヒット&アウェイ。
激しい攻防の途中で、先生が突然、「ここを通して! 私たちは
もちろん向こうもそういう目的ってことはわかってただろうけど、堂々と言葉にされるとさすがに面食らったらしい。
先生はさらに「渚旅団を捕まえることは
「あんたの言うことはごもっともじゃ」と、リョーマは誠意ある回答をした。「けんど、今はこれが任務やきに」
「〝今は〟ってなに? いつまで?
「……」
改めて思う――すげえな、この人。あたしもずけずけ言うほうだけど、質が違う。先生は後先考えてないんだ。隠された意図がない。だから、言葉に光がある。
「私はその、二人の憧れてる人のことをよく知らないけど! 彼が今のあなたたちを見て喜んでくれると思うの?」
リョーマとシンの表情に、動揺が見て取れる。一方、あたしは落ち着いてきた。痺れ粉の効き目もそろそろ切れる。
形成逆転――とか思うあたり、あたしは一生、先生みたいにはなれないんだろうな。
分散した
リョーマがシンのゲタに乗る。今度は歯を伸ばすんじゃなくて蹴り投げてきた。速度はさっきよりある。
このリョーマを目隠しにして、シンも突っ込んできてるはず。
真っ向勝負。二人まとめてブン殴る――と見せかけ、ギリギリまでひきつけて、飛びのいた。
次の瞬間、鞭の先端にくくりつけられた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます