4-4 矛盾
「さて、クララ先生、〝
「いいけど、あなたはもう全部ご存知なんじゃないの?」
「あたしはな。けど、この話は全員で共有しとく必要がある」
「なるほど、そうね!」
「あたしはなまじわかっちまう分、一人で突っ走んねぇように気をつけなきゃならねぇ。エバンスとフィンも、気になることがあったら遠慮なく言ってくれ」
「オッケー!」と、フィン。続いて俺も「わかった」と言った。
やっぱり
「でも、詳しくって言っても、なにを話せばいいのかしら?」
「文献は調べたのか?」
「ええ。
アーク隊の旅行記は普通の書店では買えない。
「
「はい」
「私はずっと気になってたの。アーク隊はまだ
「結局、旅行記を読み直しても新しい発見はなかったんだけど、今思えば、たぶん
「じゃあ先生は、肖像画をヒントにして、ほぼ自力で
「そういうことになるわね!」と、先生はふんぞり返った。
「で、それをカリキュラムに取り入れようとして指名手配、と」
「そうなの! フィン君、どう思う?」
フィンは「んー、オレから言えることは特にないね」と、意味深なことを言った。
ドラ子は床の上をウロウロ歩き回りながら、「
「そうなの! だから私も意固地になったのよ!」
「エバンス、お前の意見は?」
「アーク隊は
……もしかして、隊が〝行方不明〟になったのって、実は体制側に処分されたんじゃないか? だとすれば、クララ先生を指名手配にするっていう過剰反応も頷ける」
「だな」
「奴らは、
「あたしも同意見だ。奴らは世界全体の強さをそこそこで留めたがってるように見える」と言うドラ子の視線は、なぜかフィンに向けられていた。
「さて、ここで大事なお知らせだ。そちらにおわすフィン君は、どうやら〝奴ら〟のメンバーらしい」
「!」
「ひでーなァドラ子ねーちゃん。メンバー〝だった〟って言ってよ」
「こいつの記憶を読めば、今あたしたちが抱えてる疑問や疑惑は全部解けるだろう。けどあたしは、記憶を読んで
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