スイーツには乙女の夢がつまっています

両親の死後、後見人の叔父に屋敷を乗っ取られ、家族同然の使用人たちも次々と辞めさせられていく。そんな状況下で前世の記憶を思い出した伯爵令嬢アリスが屋敷を飛び出し、パティシエを目指していた知識と経験を活かして夢だったスイーツショップを開いて再起を図るストーリーが可愛らしい。

シュークリーム、タルト、ケーキ、パフェ。季節ごとの旬の果物とたっぷりの生クリーム、そしてチョコレートを使ったアリスの魅惑のスイーツの数々は、すぐさま世の女性たちの評判を呼び、貴族からも注文が入るようになる。
店内ではお客様の笑顔が絶えず、スタッフも充実して働いている。アリスのスイーツショップには幸せが満ちている。

なによりもパティシエとして、経営者として、雇い直した使用人たちと力を合わせて活き活きと働くアリスの姿がとても素敵。
地位や権力は無くとも、夢という心の宝石がヒロインのキャラクターを美しく輝かせている作品だ。

(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=愛咲優詩)