バンドものにまったく興味のない私でも楽しめました。こんな私でも知ってるバンド名曲名が多かったです。 インパクトのある展開やキャラクターが登場するわけではありません。 等身大の人間ドラマです。描写が丁寧で主人公の心情も細やかに綴られているので、寄り添いながら読み進めていけます。 このしっくり感はまさしく文芸書を読んでいるかのよう。落ち着いて読書したと満足できる作品です。
ロックとセックスは似たもの、親しいものとはよく言ったものですが、まさしくこのシスターズ・ルームという作品もロックでありセックスです。どちらの意味でも姉からの卒業というわけで。ロックスターはどこかへ行って、あの制服がかかっていた、怪獣のぬいぐるみが転がってた、天井のシミが見下ろしてたお姉ちゃんの部屋は無い。撃ち出された砲弾は炸裂するのみ。後にはその爪跡だけが残っているなんて、かっこいいじゃないですか!とっても面白かったです。(書籍版読了)