いまでも残るふしぎな感覚

 小学校にあがるまえの話。

 夕方、幼なじみと遊んだ帰り道、ふたりで私の家に近づくと、門の両脇に見たことのない提灯がぶらさがっていた。

 さらに近づくと、家の塀には黒い布がかけられ、その前にはたくさんの白い花が飾られていた。

 事情がわからなかった私は、幼なじみに「なにこれ」とたずねた。

 すると、幼なじみが思わず笑いながら教えてくれた。

「おまえのばあちゃんのおつやだろ。知らなかったのか」

 私は、おつやということばを聞いたことがなかったので、さらに困惑した。

「死んだってことだよ。じゃあな」

 幼なじみは帰っていった。

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