第3話 「母」になりたい

 それから私は毎日、亡き生みの母であるマリア・バルバラさんに、問いかけました。

「あなたを慕う可愛い子どもたちをどう育てたら良いでしょう。私は何ができるでしょう」

 そして、祈りました。祈っていると不思議と力が湧いてきて、天国からきっと生みの母が私を助けてくれる、そう思えたのです。

 

 祈りは届きました。私たちは守れています。私は自然に、カールが沈んでいるときは、何となくわかるようになり、そんなときは、言葉をかけました。そのうちに、カールのほうから私のところに来て、嫌だったこと、悲しかったことをポツリと漏らすようになりました。少しずつ、お母さんらしくなれたように思います。

 可愛いカール。私がカールを育てたというより、カールに私が育てられたようなものです。

 


  

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次男坊カール 沓屋南実(クツヤナミ) @namikutsuya

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