ミッドナイト・ラジオ


 愛が足りないと思ったので、ドラッグストアで栄養ドリンクを買い占めて立て続けに三本くらい飲んでみたけど何も変わらなかった。おかしいな、こんなはずじゃなかったのにって言いながらカレンダーをめくり続ける。ずっと前からめくってなかったそれをきちんと見るときはいつなんだろうか。今日が何月何日であろうとさしたる意味はない。愛が足りない。それだけ。


 恋愛をしてセックスをして結婚でもすれば満たされると思いたかった。くそ甘いストロベリージュースを一気飲みしてラブソングを垂れ流す。

 今日も四角い部屋でひとり死にたくなりながらぼんやりとTwitterのタイムラインをながめている。外の世界は幸せそうだけど外には一生出られない。どこに行こうとここは四角い部屋のなかだ。


 愛を始めよう。まずは生きている自分を許すことから。深夜ラジオのパーソナリティが明るい声でそう言った。彼と一緒に笑ってみると少しだけひとりが薄れた気がしたんだ。

 ここは四角い部屋のなかだ。午前一時の静寂にラジオだけが許される。


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