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決着

　絶対的有利におもえたパルも、日々成長を続けるグルによって、多くの痛手を受けた。争いは各陣営、精魂尽きる一歩手前まで続き、気が付けば船内の人口は、５０人を切っていた。

　「グル」が自ら無条件降伏を申し出たとき、「パル」は、それを当然とばかりに受け取り、みずから、「グル」の徹底廃棄を行った。

　３年続いた両者の戦いの間、新しい命が生まれることはなく、広い船内の環境維持と命綱である食料、資源の確保については、言うまでもない有様だった。

初期の効率を維持するだけの人手は失われ、また設備も、相互の攻撃によって、その６０％が破壊されていた。そのためパルは、衛生ロボットを活用して、その不足労働分を補った。

　また徹底した生産管理の元、体力の衰えた者や、パルの治世に不満を持つもの、諍いを起こす不穏分子については、なんのコンセンサスも得ることなく、船外投機の決定を下した。パルの専制時代のはじまりである。