第30話 待ち構えるはゼンと亀part2
……なんだこれは。
今までこんなダンジョン見たことがない。人間が作ったのでは?と思えるような流暢な言葉遣い。これがもし、ボスモンスターによって作られたものなら、ものすごく高い知能を有しているということ。この世で1番恐ろしいものは、高い知能を持った魔物達。これは面白そうなダンジョンだ…。それじゃあ、攻略していこうかな…!
ということでゲートのところまでやってきたのだが…なんだこれは。
外見は近未来的なメタリックな感じ。そしてここを通れと言わんばかりの矢印が表示されている。
まぁ、通るしか道はないのだから通ってみよう。
……ピピッという音とともに俺の視界は一瞬暗転して、すぐに明転した。体にこれといった変化はない。何だったのだろうか?とりあえず先に進んでみよう。
……第一層という看板を見つけた。
木の看板に第一層と達筆で書かれている。
先を見通す限り…何もない。不気味なほどに一本道が続いている。
まぁ、行くしかないのだが…。
俺は進む……。
カチッという音がなった。恐らく足元から。この音は多分落とし穴のトラップが発動した音だろう。ここは剣の腹を空気に叩きつけるようにしてより高く飛び、落とし穴のトラップを回避する。予想通り落とし穴のトラップが作動する。フッやはりな。あとは着地を……ッッッ!!
「うわぁぁぁぁ……」
こうして俺は別の落とし穴へと落ちていった……。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「おい、亀。来たぞ、挑戦者!」
「おお、きたな。どうなるか見ようじゃないか」
「ああ、そうだな。まずは最初の落とし穴トラップだが…よし踏ん……だ?なんだ、飛んだぞ!?空中で!」
「わしもびっくりしておるとこ……」
「「…あ」」
彼は最初のトラップを華麗に避けたと思いきや着地のときに落とし穴に落ちた。……残念なやつだった。次回の挑戦を待っている!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
俺の視界は落とし穴に落ちたところで暗転した…。
明転。なんか、広い部屋にいた。なぜだ?俺は落とし穴に落ちて。そして気づいたら広い部屋にいた。話が繋がらない。体には異常はない。
しばらく部屋を観察していると出口らしき穴を見つけた。行ってみるとそこは先程来たこのダンジョンの入り口だった。戻ってきたということか。
……恐らく、先程まで俺の体だったのは俺の体ではなく、アバターというものだったのだろう。ダンジョンの説明にもあるように、恐らくそうだろう。そして、俺はダンジョン内で死んだ。そして魂的な何かが元の身体に戻ったということだろう。
どうやってそれを可能にしてあるかは分からないが、それはもうすごい技術でしているのだろう。
そんなことより、このダンジョン。なんだろうか、今までに見たことのない構造をしている。まず、一本道のダンジョンなんて見たこともない。それにあの落とし穴トラップの間隔。非常に狭く足場もないよっな状況だろう。そんな中では、トラップのないところを慎重に歩いていかないと攻略は不可能だろう。しかし、俺は罠感知系のスキルを持っていない。だから、本部に対応をしてもらわなければならない。
…一旦連絡だな…。はぁ、この連絡用の結晶は一つあれば一月は遊んで暮らせるくらいの値段がする。そんなものを今使うことになるとは…。不運をいいところだな。
さ、とっととギルドに連絡しよう。
俺が異世界に最強のスロースタート勇者として降臨した件 御こけし @okokeci
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。俺が異世界に最強のスロースタート勇者として降臨した件の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます