第6話

2ヶ月がたち戦闘機千里の操縦が上達してきたある日、教官長からある事を告げられた。

「今日から本格的に戦闘訓練を開始する、この訓練は非常に危険だ、しかし君達には、とてもいい経験になるだろう、心して訓練を受けてくれ。後、お昼の軍事放送をラジオで聞いてくれ。大切な放送だと言われた必ず聞くように!。」

全員が敬礼をし、戦闘訓練が始まった。

戦闘時間は15分間

1対1にの一騎打ち

より多くの弾を当てた方が勝利(勝利数や戦闘により、部隊編成の基準となる)

使用弾丸は色彩演習弾カラー弾

戦闘訓練の説明した後、早速戦闘訓練が開始した。第1戦目は、島崎と一菱だ。

機体千里が用意している所に行き乗り込み発動機を始動させた。

2分後、2機は高度1200m程登り戦闘開始の合図が出された。

2人とも機体の見える範囲で戦闘が開始されたが島崎機の方がより高い高度を取っていたため、一菱機の後ろを取り、島崎が始めに引き金を引いた。

「ダダダダダ」

銃撃音と共に銃弾が自機一菱機かすめた。

「ちぃ やったな。」

フラップを駆使し、島崎機の後ろに回り込んだ。照準鏡しょうじゅんきょうを覗き、出力調整桿スロットルレバーに付いてる機銃発射ボタンを押した。十数発程を島崎機に撃ち込んだが、匠に銃弾を避け、上昇、そのまま雲の中に入って行方をくらました。それを追い雲の中に入って行った。雲の中に入ったら視界は皆無に近い状態だった。

一方島崎は....

「早く来いよ一菱」

雲の上で、一菱が雲から出てくるのを待っていた。

一菱は島崎を見つける為雲を抜け出した所だった。

するとエンジン音と銃撃音が近づいてきた。

「クッソ後ろにつかれた」

銃撃音と一緒に銃弾が機体を掠めた、そして回避行動として操縦桿を逆の方向に倒した。銃撃音と共に銃弾が飛んで来る。数回これを繰り返した。銃撃音が鳴り止み後ろを見ると後ろにいたはずの機体が居なくなっていた。

周りを見渡したがどこにも居ない

「キューン」

数秒後太陽の方向からエンジン音が聞こえ、

そこから銃弾が発射された気付いた時にはもう遅かった。

「バババン!」

遂に自機の右翼が青く染まった。

島崎機はそのまま降下し雲の中に入って行った。幸いにも上昇中は余り気づかなかったが雲は案外薄く降下して行った島崎機を目視する事が出来た。

「シメた!これならあいつを狙える」

島崎は警戒しているのか昇って来なかった。

「そっちが来ないならこっちが行くぜ」

狙いを定め勢い良く降下しようと思った時、ある考えが一菱の頭によぎった

「いや待てよ、さっきは発動機の音で気づいたなら発動機出力を下げて音を余り立てずに行ったら....考えるより行動だ」

一菱は出力を下げて降下して行った。

降下している分、速度も乗り計器がくるくると回っていた。

雲から抜けるとこっちに気づかずに、島崎機が飛んでいた。照準鏡を覗き込み、ボタンを押した。偏差をしながら機銃を乱射した。

島崎機は回避が出来ず、一菱が撃った弾をもろに食らった。

一菱の奇襲は見事に成功し機首を上に向け、もう一度高度を取ろうしたが、後ろで島崎機が一緒に上昇していた、しかし島崎機はあまり速度が乗っておらず機体が遠くなって行った。

機体を反転させた。地面に機首を向けて追撃、機銃を発射させた。

「カチッ!」

偏差する間もなく弾が切れた。

「くそっ!打ち過ぎた!」

一息ついた一瞬、追撃が何らかの理由で出来なくなったと分かった島崎は、射線を気にせずに機体を旋回させ一菱機の後ろを取った。

「今度はこっちの番だ!」

島崎がコックピットの中で照準鏡を覗き込みながら呟きいた。射線が通り引き金を引き、残り少ない全弾を撃ち込んだ。

「ダダダ!カチ!」

旋回してる時に撃たれ、一菱は、避ける事が出来ずに機首から機尾まで被弾。

その時、通信機から声が聞こえた。

「両者、戦闘やめ!」

15分が経ったようだ。両機とも速度を落とし着陸体制に入り着陸。二人共機体から降り機体を見た、最後の島崎の一撃が勝敗を決めた。

「二人共こっちに来い話がある。」

一菱、島崎が若い男性教官に呼ばれてそっちに行った。

「いいか一菱は、無駄弾を撃ち過ぎだ、だからさっきの良い時に撃てなくなる。しっかりと偏差して確実に撃ち抜け!

島崎は最初の一撃は良く出来た、しかし一菱から一撃離脱を受けた後の追撃の時、失速してただろ、あれが1番駄目だ!被撃墜に繋がるからな、まあ今回は島崎が勝ったが、次は分からないからな、二人共頑張って!」

「はい!次も勝ちます。ご指導ありがとうございます」

「次こそ勝ちます!」

島崎が勢い良く返事をしてその後から一菱が負けじと目標を言った。

「おお、その勢いだしかし冷静さは失うなよ、周りが見えなくなる。後、千里に着いた絵の具はお前たちが掃除しとけよ。」

「「へ!?」」

二人共素っ気ない声を上げたが、教官それに構わず笑みを浮かべながらどっか行ってしまった。

二人は掃除の準備を始め、千里に着いた絵の具を落として始めた。

1時間後、生徒全員が戦闘訓練が終わった頃。

「終わった」

「おい!島崎お前当て過ぎだ!落とすの大変だったぞ。」

「ははは!それはお前があんな時に旋回するからだろ、あんなの当てて下さいって言ってるようなものだぞ。」

二人は休憩、椅子に座り談笑していた。島崎は腕時計を見て思い出すかの様に

「あっそうだ!一菱ラジオをつけてくれ」

「カチ ヒューン」

ラジオの電源を入れ、局を合わせた。

「・・んじ放送 お送りします。繰り返します帝国軍事放送をお送りします。・・・」

軍事放送が流れ始めた。ほかのところでも所々でラジオを聴いていた。

「今回の軍事放送は先日行われた軍首脳部会議、決定報告をします。まず始めに未確認敵性勢力であるxから日本を守る為に海軍、陸軍の装備を統一します。なので海軍の主力戦闘機である千里初期型(11型)を廃止し陸軍が採用した千里を両軍に配備します。そして新たに、海軍陸上部隊を陸軍の一部を併合、陸海特戦隊を創立、それを海兵隊と命名し、海兵隊は陸、海軍から隊員を選別します。以上を持って軍首脳部会議、決定報告を終了します。」

放送が終わった。

「海兵隊だって....と言うことは僕たちも銃を持って戦うって事になるよね。」

一菱は心配になり、島崎に聞いた。

「そんな事は無いないんじゃない、だったら俺たちなんで戦闘機の飛行訓練してるんだよ、もし海兵隊入っても航空部隊に配属されるだろうし....陸上で戦う事はないだろ。」

ごもっともな意見が返ってきた。


「全員集合しろ!」

新見教官が全員を集合させた。

「全員聞いたな、ここからも海兵隊を選考すると報告があった。海兵隊はその名の通り特戦隊だ誰でも入れる場所では無い。訓練の結果次第ではお前たち全員が海兵隊に入隊もあり得る。だからこれから今より以上の訓練にするように。」

新しい情報が入り、海兵隊に選考されるように一菱達はより一層訓練に励むこととなった。


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『異物接触』 未確認生命体X 苔氏 @kokesi

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