#287 106番目だなんてはっきり言えませんよ……
昼食の時間だけあって食堂には多くの生徒が集まっていた。相変わらず注文のシステムが分からず、レフィと同じものを頼んで適当な座席に座っていた。喧騒の中で昼食を食みながら、周りの様子を観察していた。今日のメニューは肉を挟んだフラットブレッドらしい。以前、フィアンシャで供されたものに似ているがソースが少し違う気がする。
食堂には一際目立って騒がしくなっているテーブルがあった。人と人の間から見えるのはシャリヤの姿だった。生徒たちに囲まれて歓談している彼女の姿を見ていると微妙な心境になってくる。それに奇妙なのはその隣に座る男子生徒だった。他の生徒たちは立ったりしてシャリヤ
けしからん、俺以外の、男が、彼女の、隣に、座っているとは、
何、たる、こと、か。
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無意識に声にドス黒さが乗っかっていたのか、いきなり呼びかけられたレフィは手元のフラットブレッドを落としかけていた。彼女はもう片方の手で持ち直して、恐る恐るという様子でこちらに顔を向けた。
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シャリヤのテーブルの方を指差してレフィに指し示す。歓談していたシャリヤの視線が一瞬こちらを向いて、何もなかったかのように話に戻っていった。そんな彼女の無関心に心が傷んだ。
レフィは"
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レフィは手元の飲み物を飲んで、一つ咳払いをした。話を戻すために昨日のレフィの誤解を思い出しつつ、話を合わせてみよう。
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"
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なるほど、ではない。最悪な状態だ。シャリヤが俺以外とペアを組んでいるだと? 許せるはずがない。どうしてそういうことになる。
憤りがどうしようもない行き止まりにぶち当たったところで、昨日のシャルの言葉を思い出す。チートラブコメの達成は異世界に来た時の当初の目標であった。それをシャルは実現しようとしたのだ。それを障害するシャリヤと俺との間の人間関係は綺麗サッパリ別のものに入れ替わっているということだ。忌々しい。なんて勝手なことをしてくれたんだ。
舌打ちが自然に出そうになったところで、レフィが俺の顔を覗き込んできた。
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怪訝そうな視線がこちらをじっと見ている。そうだ、確かに昨日のあれはレフィにとっては俺がシャリヤを倒すための作戦になっていたはずだった。
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レフィは俺の背中を叩きながら、勢いづけるように言った。どうやらあまり気にしていないようだ。背中がひりひりするがまあ良しとする。
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そう思って言ってみたものの、レフィは少し微妙な顔をしていた。
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数値の違いからして、恐らく何らかのランキングシステムでも存在しているのだろう。"
レフィは興ざめに思ったのか、ため息を付いた。さっきまでの威勢はどこに行ったのだろう。俺は手元のフラットブレッドに齧りつきながら、この先どうすべきかを考えていた。
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