#248 光が来ないくらいで幽霊とか……
シャリヤの語義説明から始まり、他の人たちも加わっていつの間にかこの学校の大掃除が始まっていた。シャリヤは壮年の教師がくれた臙脂色のエプロンを着て小ぼうきで埃を払いながら、書物を机にまとめている。一生懸命な姿は誰よりも可愛かった。
この教室は砂埃が大分多いようでユフィアがその土埃をまとめて外に掃き出している。市民にあれほど信頼されている人物が報酬も顧みず掃除をしているというのは好感度が高い。インリニアも渋々障害物が退けられた窓の棧を古布で拭いていた。彼女だけは非常に面倒くさそうに掃除をしている。俺は教室の裏にある井戸から水を汲んで古布を洗い、絞って別の場所を拭いていた。
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不安定な返答にインリニアは少し不思議そうにしていたがすぐに仕事に戻ってしまった。
返答が適当になってしまったのは彼女のリパライン語に良く分からない部分があったからだった。"
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だるそうな顔で掃除をするインリニアに近づいて問うと、彼女は手を止めて考えるような顔をし始めた。少し唸ると、苦笑しながら首を傾げる。
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そうインリニアが言うと誰かが部屋に入ってきたのが視界の端に見えた。手を止めて考え込むインリニアと説明待ちの俺に近づいてきたのは書類を両手に一杯に持ったシャリヤだった。彼女は一旦書類を脇に置いて、インリニアの方に眉をひそめて目を向けた。
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インリニアは何か釈明している様子だった。文脈からして"
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「はっ……
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シャリヤのお願いは十分理解できたが、"
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シャリヤは俺の顔をジロジロ見ながら、意地悪っぽく口角を上げた。
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説明の闘志を燃やす二人が俺を間に謎に意気投合していた。
もしかして、「二人の説明が聞きたい」という言葉が彼女たちをヒートアップさせてしまったのかもしれない。
(これはありがたいと見るべきか、面倒なことになったと考えるべきか……)
俺はため息を付いて近くにあったスツールを寄せて座り込む。シャリヤとインリニアを見ると二人共ともやる気満々の様子でこっちを見ていた。蒼と黒の瞳がうずうずしながらこちらを見ている。どうやら俺の選択を待っているらしかった。
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