#216 邪魔しに来たの?


"Lirs, deliu miss私達はリパラオネ melfert ai'r'd教徒のアイル人を larta zu es探さなければ tvasnkerならない lipalaone jaのよね?"


 エレーナが周りを見ながら言った。翠には商店やら民家が並んでいる中で誰に聞かなければならないのかはさっぱりだった。でも、生粋のリパラオネ教徒である彼らにとっては何か見分けられる要素があるのかもしれない。エレーナに露店に集まるアイル人を指して、訊いてみる。


"Harmae esここに tvasnker居る誰が lipalaoneリパラオネ faller moler教徒か fqa'ctって分かる. Co qune la lexのか, elernastiエレーナ?"

"Nivいいえ, mi es niv私は…… xadorverじゃないもの. "

"Malそれじゃあ, Cene harmieどうやったら leus missそれが qune la lex分かるの?"


 エレーナは翠を変なことを言うやつだというような視線で見てから、踵を変えて道なりに歩き始めた。翠とシャリヤは顔を合わせた。彼女の蒼い瞳は言葉に出さずともエレーナの行動が良く分からないと表していた。

 車輪のようなシンボルに赤線で射線が描かれている顔よりも大きい標識の下を通ったところで、歩き始めた彼女に遅れを取らないようにと後を追う。


"Mag, miss letix niv私達は訊く以外に qunergel filx知る方法は nuno ja無いの."

"Co nun nivそこの人には lartastana'c訊かないの?"


 周りにはアイル人やタカン人らしき黒髪黒目の人たちが居る。エレーナがわざわざここから離れて別の場所で訊こうとしている理由は良く分からなかった。何かもやもやした気持ちに包まれていたその時、翠たちが立ち止まっていたところの小さい店の奥から人が出てきた。それは黒髪黒目のポニーテールの少女だった。店の看板にあるシンボルが胸元に刺繍されているあたり、ここの店員なのだろう。手には何個か小さい輪っかを持っていた。


「転生か、ん?」

「は、え?今、なん……て?」


 驚きが翠の体を駆け巡る。雷に撃たれたような衝撃、完全な異世界であろうこの世界では絶対に聞こえないはずの音調、単語、声に注目せざるを得なかった。それは翠の耳には紛いもなく日本語に聞こえた。周りの物が一気に見えなくなる。この世界を自分だけで戦って生き残っていかなければならないと思っていたのに他の転生者が居たとは驚きだった。

 エレーナやシャリヤをかき分けるようにして店から出てきた少女に迫る。少女は驚いた様子で翠から少し身を引いた。


「な、なんなん?」

「俺、八ヶ崎翠だよ。八ヶ崎翠!」


 彼女の言葉のインドネーションは関西弁のようだった。他の転生者に会えた感動で一体何を言えば良いのか全く分からなくなっていた。翠にしてみれば、これまでに無かった心強い味方だった。彼女が落ち着いているように見えるあたり、恐らく他にも転生者が居るのだろう。

 翠は必死に自分の名前を言った。少女の方は反応が薄くただ、薄っすらと表情に微笑みが感じられただけだった。


「八ヶ崎翠……迫る?」

「えっと……ご、ごめん……」


 距離感を図りそこねていたのかもしれない――と思い、少女から少し離れてみる。翠は気づいたときにはいつの間にか少女の肩を掴んで、顔を近づけていたらしい。気づいてから、顔が熱くなってくる。

 だが、少女はそんな翠の行動に首を傾げていた。眉を上げて、逆に戸惑っているようだった。


「何や、え、また?」

「ねえ、君他に転生者は居る?」

「居る……。あたし、揉む?」

「も、揉む!?」


 少女は店の中を指差す。「揉む」と言われた瞬間に犯罪臭が一気に増したのは何なのだろうか。店の中は薄暗く、パッとしない内装になっていた。ただ一つ、奥の方に漢字で書かれた掛け軸のような 他の転生者がいたいけな少女に何をやらせているのか、気になるところがあった。翠が入っていくと少女は部屋の一角で翠を手で止めた。


「打て、私。」


 何本か棒が立っている板が置いてあった。恐らく輪投げに使われるものなのだろう。その前で少女に幾つかの輪っかを差し出された。だが、少女が言った言葉は良く分からなかった。受け取って輪っかで少女を殴れとでも言うのだろうか。


「打っていいのか?」


 少女は満面の笑みで頷いた。打たれることがそこまで嬉しいのだろうかということを考え始めると、翠には何だか寒気まで感じてきた。一体他の転生者は彼女に何をやったのだろうか。気まずさに話を反らさずには居られなかった。


「そ、そういえば、この近くのフィアンシャって知ってる?」

「打て、私。わ、フィアンシャかんもう」

「……は?」


 少女がいきなり意味の分からない言葉をいった瞬間、銀髪の煌めきとサファイヤブルーの瞳の美しい色彩が少女と翠の間に入り込んできた。少女にだけ向けられていた視界がその一瞬で開けた。目の前には心配そうなシャリヤの姿が、視界の端には腕を組んで苛立たしそうに立つエレーナが見えた。


"Cenesti, metista...... Ci es彼女は takang'dタカン larta人よ. Mag, lecu ete'd他の人に larta'c nun聞きましょ. Jaいい?"

"J, jaああ......"


 少女はシャリヤのことを疑問の面持ちで見つめていた。シャリヤは袖を引っ張るようにゆっくりと店の外へと翠を誘導していた。

 何か夢を見ていたような気がする。冷静に考えれば翠の言葉が良くタカン語のようだと言われるのであれば、日本語に聞こえる言葉は真っ先にタカン語だと考えるべきだ。しかも、漢字のような掛け軸は漢字のように見えて漢字として読むことは出来なかった。なら、セーケの駒に刻まれた文字と同じであると考えるべきだった。翠もこれまでのことで大分参ってしまったのかもしれない。別の転生者が居るなんて希望を持たせておいて、破壊するだなんてこの世界は相当残酷らしい。


 店の外に出ると、相変わらず蒸し暑い空気だったが何だか開放的な気分になれた。エレーナやシャリヤはお互い話し合いながら、フィアンシャを探しているようだった。しかし、翠は完全に気が抜けて彼女たちについていくのに精一杯だった。そのリパライン語の言葉も右から入って、何も理解できないまま左に抜けていくような感じがしていた。

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