#53 止まるんじゃねえぞ


"Fixastiフィシャさん, coあなたは virot jazgasaki.cen八ヶ崎翠 dorne?"


 ジュリザードはフィシャに質問を投げかけた。証人尋問というあたりなのだろう。何を聞かれたのかは良く分からないが、翠が出来ることはフィシャが言う答えに耳を傾けて、分かるところまで理解するほかない。


"Jaはい."


 フィシャは怯えながらもジュリザードの質問に短く答えた。


"Malそれでは, Edixa harmie'i si's彼があなたのフィアンシャ es fal co'd fi'anxaに居た時何をしていました?"

"Edixa……していた Si彼は nun lineparine'iリネパーイネ語 xalija'cシャリヤ…… lu."


 なるほど、ジュリザードは翠がフィアンシャで何をしていたのかを訊きたいようだ。それに対して、フィシャは"xalijaシャリヤ"と"lineparineリネパーイネ語"の二単語を出して説明している。多分フィアンシャで言葉についてシャリヤに質問していたことを言っているのだろう。


"Xel la l'! Si lkurf言う jardzankatta xale elx lkurfo cene nivリパライン語を lineparine'it話せないこと. Lineparine'itリパライン kantio'i語を veleso教わること xale mauxelenon esである ceg'i edixa~し続けた dea!"

"Jazgasaki.cenesti八ヶ崎翠, Cene nivあなたは co lkurf lineparineリパライン語を喋れません xale la lex falにて cirla?"


 裁判長がフィシャの後ろに居る翠に呼びかける。フィシャは自分が邪魔だと思ったのか前後をきょろきょろと見ていた。

 何故今リネパーイネ語が話せるか訊いてきたのだろうか。翠がフィアンシャンに居た時にリネパーイネ語のことを訊いていたから、裁判長は翠がリネパーイネ語をちゃんと話せるか心配になったか?いやいや、最初に良く分からない言語の通訳が入ってきたときにちゃんとリネパーイネ語で返したし、その後裁判長自身もリネパーイネ語で質問したではないか。質問の意図が良く分からないが、事実を言うしかない。今まで翠はシャリヤやレシェールたちの意思疎通を図り、認められ、そして相手を認めるために


"Nivいえ, cene俺は mi firlex lineparineリパライン語が分かります。."

"Hmmふむ."


 翠の答えに傍聴席はまた騒然とした。一瞬何か変な答えをしてしまったのではないかという考えがよぎるがそもそも良く分かっていない質問にどう答えればいいんだという感じだ。自分は正しい答えを言ったんだということを信じるほかない。違和感があったのはジュリザードがやったぞとばかりの表情をしているからであった。


"Xel. Si jat esoであること si fea ceg!"

"...... Si jat ly fal cirla."


 傍聴席が騒ぐ様子は一向にやまない。自分を差し置いて、裁判長やジュリザード、傍聴席の野次馬たちが質問に一喜一憂し、争っている様子を見ると先日の出来事を思い出す。木片に漢字のような文字が彫られ、網目状に区切られた盤の上で遊ぶボードゲーム。自分が見たことがあるはずだった将棋と同じようなものだろうと思いきや、対戦中のシャリヤとフェリーサが共有しているルールを翠は理解できていなかった。ここもそうだ。裁判なんてイメージ上でいくらでも考えられるが、言語ルールが分かれば何がおかしいことで、本当に分からないことが何かなんて直ぐに訊けばわかることだ。でも、異世界で司法のシステムの振舞い方も分からない状況で、言葉も分からず、何を疑われているのか詳細も分からない状態はルール未通告のボードゲームと同じだ。


(ふっ……まるで将棋セーケだな……)


 そんなが、この先の解決に役立つとも思えない。裁判長が人を呼んで、数人の民兵じみた人間を呼ばせてきた。来るまでそう時間が掛からなかったからだ。禄でもない洞察に時間を掛けて浸っているうちに事は進行していたということだ。ここでルールを曲解したり、いきなり神に雷で撃たれて超能力を得て危害を加えようとする者の目玉でもアポーツSomething broughtできれば逃げることくらい出来るのだろうと考えたりしたが、こんなファンタジーの欠片もない世界でそんなことが起きるなんて考えられないし、そもそも逃げるくらいならスリップでいいじゃないか……ってこの魔法名は一体どこから生まれたんだろうか。そもそも異世界語があるのに魔法名が英語って……


"Alf ceg!"


 ジュリザードが大声で指示すると裁判長の横に集っていた民兵たちがぞろぞろと翠の周りに集まってきた。また変な考えに浸っていた内に事が進んでいる。一人が翠の腕をつかんで、力強く乱暴に引っ張った。バランスを崩して倒れてしまう。民兵たちは無理やり腕を持ち上げて、立ち上がらせる。何が起こっているのか確認しようと後ろを見ようとしたところ、銃口が背中に触れていることに気付いた。もはや逃げられる見込みはない。

 民兵に連れられて、法廷を追い出されそうになった時、傍聴席側の大きなドアが開いた。


"Harmae esである da!?"


"Mi es Hinggenferl私はヒンゲンファール・ valar lircaヴァラー・リーサ. Mili flarska situverlestan!"


 ヒンゲンファール、聞いたことがあるその名と共に見覚えのある顔が現れた。背から差し込む強い光は、翠を捕らえた民兵たちを想起させたが、ヒンゲンファールのその姿は危害ではなく救いのように見えた。

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