#48 クワイエの敎え


"Tonir…… es misse'd tvasnkerlは私たちの……するもの."

"Malそれじゃあ, co tvasnk tonir君はtonirをtvasnkしているの?"

"Jaうん, Mi tvasnk alefis私はalefisをtvasnkしている."


 なるほど、"alefisアレフィス"は"tonirトニー"で、いずれも"tvasnkerltvasnkするもの"らしい。"tvasnkトヴァスンク"の意味が解ってくれば自ずと"alefis"や"tonir"の意味が解りそうなものだ。

 そんなことを考えているとシャリヤは翠に向かって"mili待ってて"と言って、建物の前の方に歩いていった。そこには大きな真っ白な布が掛けてある。高い天井から下げられている布の高さは2メートルくらいで、天女の羽衣という感じだ……天女の羽衣って何だろう。


"Wenlenpex, Wenlenpex, Ban missen tonir l'es birleen alefis io mi tvasnk alefisextin."


 シャリヤは前に行ってその白い布に手を掛け何かをぶつぶつと念じていた。邪魔に入れないような異様な雰囲気は日本では感じたことが無かった宗敎の匂いだった。ここが宗敎施設なのであれば、色々と辻褄が合う。街に似合わない色と変な形だったのは宗敎的にそういう形と色が施設を表すことになっているのか、伝統的にそうなっているのだろう。シャリヤがぶつぶつと念じているのは宗敎的な祈りで、シャリヤが訊いてきた"alefis"の存在は宗敎名か神の名前だったりするのだろうか。

 "alefis"は"tvasnk"する対象であることが分かっているが、白ワンピの女性は確か"Co es tvasnker……をする者 lipalaone?"と言っていた。"lipalaoneリパラオネ"も"tvasnk"する対象になりうるのだろう。仮説は立つにしても、"lipalaone"と"alefis"と"tonir"の違いが分からない。


 シャリヤが戻ってきた。何事もなかったかのようにすましている。先に分かった三つの単語の違いに関してはいまだ良く分かっていない。どうにかして訊き出したいが、どう聞けば良いか良く分からない。

 とりあえず、三単語が理解不能であることを示すべきだ。


"Xalijastiシャリヤ, cene mi niv firlex俺は"lipalaone"と <lipalaone> ad"alefis"と"tonir"が <alefis> ad <tonir>分からないんだけど."

"Arjer......"


 おっと、シャリヤは困り顔になってしまった。

 宗敎関係の話なのだから多分言い出しづらいのか、いや、宗敎の話を持ち出しづらいのは日本くらいだ。インド先輩の話を聞いていると海外ではどれだけ宗敎と生活と文化・風俗・習慣が密接に繋がりあっているのか良く分かる。生活の中にヒンドゥー寺院やキリスト敎敎会、イスラム敎のモスクなどがあり、暮らしの雰囲気を和らげてくれている。まあ、異世界で宗敎がどのような扱いを受けているのか、どのような宗敎の信仰がなされているかなんてわからないし、一歩間違えれば大変なことになるナイーブな部分であることは変わりない。でも、だからこそ、彼らに精神的に近づいていくために知っていくことが大事なのかもしれないが。


"Tvasnko alefis esアレフィスをトヴァスンクすることは lipalaone mal alefisリパラオネであり、アレフィスは es tonir'd ferlkトニーの名前だよ."


 翠がそんなことを考えているうちにシャリヤがそう答えた。この返答だけで大体わかってきた気がする。

 トヴァスンクは「信仰する」、「信じる」の意味で使う動詞だ。"tvasnko alefis"は「アレフィス信仰」で、"tvasnker lipalaone"は「リパラオネ信者」だ。すると、"lipalaone"は「アレフィス信仰」であるということになるので、"lipalaone"は宗敎名かなにかなのだろう。「アレフィス」が"tonir'd ferlkトニーの名前"と書いてある。つまり、アレフィスが名前であるということはアレフィスが"tvasnkerl信仰対象"であるということは"tonir"≒"tvasnkerl"とも考えられるのではないだろうか。


"うーん, mi firlex分かったよ。."


 というか、こういう場合信仰者じゃない人がこういう施設に入ってもいいものなんだろうか。異敎徒は出ていけという感じで、ばれたら追い出されかねない。この地域でこのリパラオネ敎が信仰されているとしたら、その慣例によっては異敎徒をどうするかも翠は知らない。異敎徒皆殺しみたいな感じだったらどうなるか、控えめに言って翠もただでは済まないだろう。まあ、ばれたらの話でばれなければどうということもないはずだ。当たらなければどうということはないと通常の三倍の人が言ってたし。


 そんなことを考えていると、部屋の横側の扉が開いて先程の白ワンピの人が出て来る。手には二つの袋を携えている。こちらに近づいてきて、袋を渡してくる。シャリヤは何も不思議に思わず受け取っていたが、翠は受け取って良いのかわからなかったのでぎこちない動作になってしまった。


"Xaceありがとう fua eno el retla'd fi'anxaレトラのフィアンシャ. Lecu miss lkurf私たちは話す ekcej."


 自分たちの横に座った白ワンピのお姉さんは翠を一瞥してそう言った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援した人

応援すると応援コメントも書けます

ビューワー設定

文字サイズ

背景色

フォント

機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。

一部のAndroid端末では
フォント設定が反映されません。

応援の気持ちを届けよう

カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。

アカウントをお持ちの方はログイン

フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック!

アカウントをお持ちの方はログイン

フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう!