#47 Tvasnker lipalaone


「やっぱり変な建物だ。」


 周りの建物が灰色じみていて無彩色の街であったのにそこに存在する建物にとても違和感を感じた。

 日を反射して輝くほどの真っ白さに加えて、茸を連想させる建物の構造。出入口は建物の内側に開くスイングゲートで、もうすでに空いた状態だ。シャリヤはここにいるはずだ。


"Salaruaこんにちは lu."

"あ、えっと……Salaruaこんにちは."


 白いワンピースを来た女性が出入り口の先の茸型の建物の前に立っている。街の人なんだろうが、一般的な町の人の雰囲気とは違う感じの服装だ。建物の色に合わせて服装も白いのにしなきゃいけないとかそういうマナーでもあるんだろうか。

 そんなことはともかくシャリヤを探さなくては。


"Merえっと, Xalija molシャリヤは fal fqaここに居ますか?"

"Xalijastiシャリヤ? Arああ, Ci es彼女は lipalain mian ja…………である、はい lu?"


 思い出したように白ワンピースの女性は頷いて、答えた。

 良く分からないが、"lipalain"って"lineparine"とか"lipalainリパライン"に似ている。"lipalain mianリパライン ミャン"とシャリヤが呼ばれたということはそれらの元は一つの民族の名称だったりするのかもしれない。


"Malそれで, ci mol fal harmie?彼女は何に?"


 「どこ」という表現を知らないので"fal harmie何に"で置き換える。知らない表現は適当に置き換えておくと教えるほうやネイティブが不自然さに気付いて教えてくれるし、学ぶか学ばないかはともかくとして意思疎通しなきゃいけない場面でこういうことができることは大切だ。

 質問に対して女性は出てきた建物の方を指し示した。"xaceありがとう."と感謝の言葉を述べて建物に入ろうとしたところ、止められた。


"Mili待って, Co esあなたは tvasnker lipalaone…………ですか lu?"

"Tvasnker......lipalaone......?"


 何かを確認されていることは分かるのだが、良く分からない。"lipalaoneリパラオネ"という単語もよく考えると"lineparine"や"liparxe"、"lipalain"とかに似ているからそのグループに関係する関連の単語らしいが、細かいニュアンスが分からない。辞書を引いて理解してしまおうと思ったが、辞書はシャリヤの部屋に置いてきたうえ引いてすぐに理解できるようなものでもない。


(困ったぞ、訊かれていることが良く分からない……。)


"Arああ, cenesti klie co's fal fqaここにあなたは来る ti."


 聞き覚えのある声が建物の方から聞こえる。シャリヤだ。

 こんな時に丁度良くシャリヤが来てくれたのがありがたかったし、どうやら怪我とか焦って逃げている様子でもなかったから安心した。


"Xarzni'arsti……よ, si es niv彼は……にて lipalaoneer fal no……ではない paしかし kantiergylistan………… lkurfは言う ny la lex tirne? <Miss'd私たちの la tonir tast nivしない miss私たち xale lartastanss.>"

"Jaはい, paでも selene……したい edixa mi ekce lapon nun pelx fhankamiet lkurf niv言わない ti lu. "


 ぐぬぬ、二人で交渉しているらしいが全然会話が頭に入ってこないぞ。

 毎度恒例の単語力が無さ過ぎて文章の大意すら取れない状態だ。だが、シャリヤはその白ワンピの女性と話し合ってどうにか納得してもらっていた様子だった。内容は良く分からないけど、結構長文を言い合っていたので割と込み合った話だったのかもしれない。

 シャリヤは交渉の後にその女性と別れ、翠を建物の中へと招いてくれた。様子から見て、有事が起こっているということを知っていたりする雰囲気ではない。それではあの慌てふためいていた武装集団はなんだったんだろうか。訓練だったりとかだろうか、それにしてはヒンゲンファールさんは怪訝な表情を投げかけていた。もしかしたら事態は始まったばかりでシャリヤたちはそれを知らないというところだろうか。


"Malそれで, Cenesti, co firlex <alefis>あなたは"alefis"を知っている?"

"Alefis......? Nivいいえ, Alefis es harmieアレフィスって何?"


 建物の内部では床に数人がそのまま座っていた。シャリヤと翠もその慣例に倣って、地べたに座ることになった。地べたとはいえさすがに建物の中で、綺麗になってはいるが。

 シャリヤは"Alefisアレフィス"を知っているか?という質問をした。勿論知らないのでいいえと答えたが、正直に答えたのにシャリヤは不思議そうな顔をしていた。こっちでは"Alefisアレフィス"という何かが中途半端に有名だからそういう切り出し方が出来るんだろうか。でも、知らないものは知らないのだ。そればかりはしょうがないので怪訝に思わないで欲しい。


"Aleアレfis es misse'd tonirフィスは私たちの……."

"Naceごめん, pa cene miでも、俺は"tonir" niv firlex <tonir>が分からないんだ......"


 分からないことはどんどん訊いていく。なんたってこの街に対して違和感バリバリの建物やシャリヤがここに来た理由が分かる気がするからだ。

 翠はそうしてシャリヤの次の言葉に耳を傾けることにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る