拾って育てた、仔にゃんこがジ逝って飛ばしたミルキーが頭にかかって、ぺろりと舐めてみたら絶世で可憐なMaiDっ娘に成っちゃった?

Digital and Analog N

序 話 恥ずかしくも、奇妙な人化の理由・・・

にゃたしは・・・、うみゃれたての、にゃたしには、にゃぁ、にゃまえはまだにゃい。わたしにゃにゃにものにゃのかもわからにゃいにゃぁ・・・。(生まれたての私にはまだ名前がない。私が何者なのかもわからない。)

「ふみゃぁ」

にょれにょれのにゅにょにくりゅまれて、にゃたしはどこきゃのにゃがいにほうちされていたにゃ。

(よれた布にくるまれて、私はどこかの野外に放置されていた。)

にゃにかのあしおとが、いくつもきこえるにゃぁ、でも、にゃたしのほうにむかってくるおとはなかったにゃ。

(足音はいくつも聞こえるが、私に向かってくる音はなかった。)

「ふにゅぅ」

にゃたしはあまりのきゅうふぅくのためきをうしなったにゃぁ。

(私は余りの空腹の為、気を失ってしまった。)



・・・、どのくらいじかんがったたのにゃろう、にゃたしはきゅうふくでみゅがさめたにゃぁ。

(どのくらいの時間がたったのだろうか、私は空腹のために目が覚めてしまった。大よそ、七日間)

にしきがみょうろうとするにゃぁ・・・、にゃたにしきがきれそうにゃぁ・・・、

(意識がもうろうとする。再び意識が途切れてしまいそう。生まれたばかりで生死という概念もわからなく、死にそうだということを理解できていない。)

にゅぅ・・・、にゃしおとがきこえるにゃ、にゃたしのほうにむかってくるにゃぁ・・・

(?、足音が聞こえる、私の方に向かってくるような気がする)

あしおとがやんだにゃぁ、にゃにきゃきぇひゃいがかんじるにゃぁ・・・、にゃたしはうっすら、にゃぶたをにゃけ、きぇはいがあるほうをむいたにゃぁ。

(足音が止んだ、何かの気配を感じて私は瞼をうっすらと開け、気配がある方を向いた。)


ふにゃぁぁっ!、にゃぁたしは、にゃんにゃるとしたきょにゃいをみて、にょうふした。

そのにゃんにゃるからはえた、にゅたつのにゅでが、にゃたしにのびてきたにゃ。

(私はまんまるとした巨体を見て恐怖した。その巨体から生える二つの腕が私の方へ伸びてきた)


ふにゅぅ~~~、にゃたしにだって、えらぶけんりがあるにゃぁ、そのうでをちかづけるにゃぁ。

(怯え、私にだって選ぶ権利があるとか細く叫び、ゆっくりと近づく、腕から逃れようとした)


「うへへへへぇ」と不気味に笑う巨体。その笑みで見える整ってきれいな白色の歯だが、ところどころ食いかすが残ったままの歯茎。顎がぜい肉でたるむほどの不健康体。

 寒空の中、着こなしは綺麗に見えるが半袖よりも少し長い服から見える腕はじっとりと汗ばんでいた。

 眼鏡は少し、巨体の暑さでじんわりと曇り、のど元にたまり始めた汗水が、手を伸ばそう落としている生き物に垂れようとしていた。


「そこの、貴方、飼う気もなく、ただ、可愛いというだけで、その子に触れるのはよしなさい」

「何だ、君は、ぼくがどうしようと、君には関係ないだろう。僕が先に見つけたんだっ!!」

 巨体はそれだけ言うと声を掛けられて向いた姿勢を生き物に向け、また手を伸ばそうとした。


「にゃみさまぁ~~~っ!!!」

(私は神様なんて知らないのにそのような言葉を叫んで、意識を失った。)

「タルは樽らしく転がっていなさい・・・」

 紳士に巨体に話しかけていた男は、その言葉と一緒に巨体を蹴り飛ばしていた。

 巨体は本当に樽が転げるような感じで公園の路地へと去っていった。

 

 背広を着こなした紳士は立ったまま、腰だけを折り、眼下に見える生き物を覗いた。

 紳士は何も言葉にせず、その生き物に自身の襟巻を外し、その生き物が巻かれていた薄汚れた布を丁寧に剥ぎ取り、襟巻で優しく巻き直した。


 「この、子猫、まだ息はあるみたいですね・・・」

 紳士は急ぎ、公園の駐車場に止めていた、車の中へ急いだ。

 鍵を差し回し、始動させると、据え付けの端末が起動するのを待った。

 「OK、google、近くの動物病院はどこですか?」

 紳士の声に音声認識した端末はその結果を画面に表示させた。

 一番近くの病院の場所への案内を開始させた。

 「E-Arthの中ですか・・・」と一言もらし、車を動かし始めた。


 車を走らせて15分くらいで目的地へ到着し、Mallの中の広い駐車場の中の案内を見ながら動物病院区画に近い、所を探しそちらへ移動させた。

 紳士は子猫を優しく抱きかかえると車の鍵もかけず、病院へと駆け込み、受付で状況を説明した。

 看護師に子猫を預け、治療が終わるまでの時間つぶしのためにmallの中の動物関連の物が売っている区画に足を運び、Android端末を操作しながら、子猫に必要な物品を探し始めた。

 値段を見ずに必要なものを揃えて、台車に乗せて会計に向かう。

「合計で38,500円に消費税が付きまして41,580円になります。イー・アースのポイントはお持ちでしょうか?」

「・・・、ありません」

 紳士は楽天Edyで支払おうとしたが、残高を超えていたためにcreditを店員に渡した。

 荷物を店員に運ばせ、車に乗せ終わったところで病院から預かっていた呼び出し端末がなり始めた。

 紳士は荷物を詰めた車のHutch backを閉じて、病院の受付へ向かった。

「お会計は、初診料5,800円、診療前のボディー・ウォッシュとトリミングで、6,800円、栄養剤の点滴、2,880円、合計15,480円、頂きます。」

「消費税はないのですか?」

「病院ですので消費税は頂いておりません」

 紳士は思わぬ出費にも顔色を変えず、会計周りでどのような支払いができるのかを確認して、

「Suicaでお願いいたします」

「かしこまりました、イー・アースのポイントはお持ちでしょうか?」

「病院でもたまるのですか?」

「はい、こちらの施設常設病院ですので」

「・・・、そうでしたか。今度作っておきます」

 そう言葉にしながら、支払い読み込み端末にSmartDevice(Android端末やApple端末の事で以降、Sデスとする)を当てて支払いを完了させた。

「生後二か月から予防接種と半年後位から避妊、去勢が受けられますので、来訪お待ちしております」

 受付がその言葉の終わりに軽く会釈すると、紳士も同じように会釈して、院内を去った。


 紳士は洞崩公園近くの自宅、高層集合住宅へと帰路した。

 駐車場に向かうと正門前の大扉が自動認証で居住者だ認知すると自動で開き、中へ入るように音声で知らせる。紳士はゆっくりとした速度で場内の自身に割り当てられた番号の付いた区切りまで走らせると、発進するときに正面が見えるように後方から車庫入れを行う。


 子猫を抱え、その子猫を寝せる小さな寝具だけをもって一階大玄関口へと向かった。紳士は片手に持った荷物を地面に置いて、鍵代わりになっているSデスを取り出し、認証端末にかざし、扉が開くと再び、荷物をもって、昇降機の前まで歩み寄った。ちょうど、その時に一階に降りてくる住人がいたようで、そのまま、その人が下りた後に紳士は中に入り、ほかの乗り込み住人がいないかを確認してから、『閉』を押し、自室のある、『28』をおした。


 昇降機を降りて、廊下を歩き非常口階段となりの自宅までくるとやはりSデスを取り出し、鍵を開けた。

 小動物2匹までは無許可で買うことの許された、3LDKの独り暮らし玄関を開けて、誰からも、『おかえりなさい』の挨拶はない。

 紳士はまだ寝ている仔猫をSofaに優しく置くと、猫用寝具(bed式)を床いっぱいに広げ着替えもせずに組み立て始めた。組み上がるとその中に仔猫を移動させて、車の中に残っている荷物を取りに行く。


 戻り、紳士は生まれたばかりの仔猫にはまだ必要としないCat Towerを作り始め、出来上がるとほとんど調度品が置いていない22畳ある居間の窓側の隅へ設置した。

 紳士は居間の床に散らかった梱包材や箱を細かくちぎって燃えるごみの袋に無造作に投げ入れ、きれいにし終わると、袋の耳を縛って玄関近くへ運んで行った。

 調理器具と、少しばかりの調味料、食器も豊富ではない、冷蔵庫も最低限の食材しかない。

 紳士はあり合わせな材料で簡素な夕食をgoogleで仔猫の育てながらを調べながら調理し始めた。

 準備-仕上がり-食事-後片付け、水洗いした器を布巾で拭っているときのことであった。


 「ふにゃぁ~ぁ」

 ここはどこにゃぁ、からだをもにもにさせると、とってもにゃわらかく、あにゃにゃかいかんじがするにゃぁ(ここはどこ?体う動かすと、肌触りがよく、とても暖かい)

 子猫の鳴き声に反応した紳士は拭き終わっていない食器をその場に残して、その仔の所へ駆け寄った。

 

 にゃたしはちいさいおとでしぇまる、あしおとにおにょろき、めをひらいたにゃぁ・・・?

 いままではうっしゅらとしかひりゃけにゅかったみゃぶたもひらけるよににゃっていることにおどろいたにゃ。

 (私は歩み寄る、小さな足音に驚き目を開いた。今までは少ししか、あげられなかった瞼もしっかりと開けていることに驚いた。病院の治療で瞼周りに固着していた目垢をきれいにしてもらったためである。)


 めをみひにゃいて、まるくしているにゃたしにおおきにゃにゃにかは・・・

 (驚いて目を丸くして、硬直している私に・・・)

 紳士は目を開けたまま動かない、その子猫の額を小指で軽く撫でた。生後数週間の猫は成人の手のひらよりも小さく手のひら全では撫でられないので紳士はそうしていた。

 

 にゃでられたにゃたしは、でょぉうしてにゃのか、とてもにゃんどをおぼえ「ふみゅぅ~」とこえにしていたにゃぁ。にゃたしはしょにょゆびにしゅがみつき、にゅびのはらをぺろぺろしたにゃぁ。すると、みゅひょうじょうにゃった、そのおおきいのはしゅこしほほえんにゃようにゃきがしたにゃ。

 (撫でられた、私は理由もわからず、あんどして、声を上げた。撫でる指にしがみつき、その腹をなめると無表情だったその人は少しだけ笑ったような気がした。)

 「私の指は食べ物じゃないですよ」

 紳士は食べ物と間違ってなめているのかと思い、そのように言葉を漏らすと薬指で指でのどを撫でたのちに、お腹が空いているのかと思って、作っておいた整乳を入れた小瓶を持って戻ってきた。


 にゃたしははじめてのこういにとまにょい、にゃにをされているにょかわからにゃかった。しょれがはじめてにょわたしのごはんだったにゃぁ。

 (私は初めて口元に押し付けられたものが何かわからなくて、戸惑ったが、小瓶の先をかみしめると、口の中に養乳がひろがっていった。)


 私の自己紹介がまだでしたね。佐々城ささぎ 虎次郎こじろうと申します。年齢は多分28くらい27だったかな・・・、だったと思います。

 私は差し出した小瓶の中の整乳を飲み始めた仔猫の頭を小指で軽く撫でながら、笑顔を作る事が苦手ですが、それでも、嬉しくて、小さくにやけ顔を作ってしまいました。

「さて、何名付けましょうか・・・、アイナ、アイリス、イシス、ヴァリス、エーテル、オルレア・・・、ワルキューリエ」

 頭に五十音順で思い浮かべ、言葉にしていた。しかし、どれもしっくりこない。

 私が再び、名前を考え始めると、お腹いっぱいになったであろう、子猫は『ぷふぁっ』と曖気を吐き、目を真ん丸と見開き小瓶を抱えたまま、私の方を眺めていた。


 とっちも、おいちかったにゃぁ、ごっしょうしゃまでしたにゃぁ、ありがとうございますにゃぁ、にゃたしはきゃんしゃのいをきょめて、ごはんをきゅれたしとにょ、にゅびににだきつき、しょにょはりゃをぺろぺろしたにゃぁ。

(とても、おいしかった養乳を与えたくれたことに感謝して、私を撫でていた指に身を寄せ、その腹をなめていました。)


 私、虎次郎はまんまるとした仔猫の瞳の色を見て、夜空に浮かぶ薄青の月を連想させられた。

 「ムーン、セレーネー、リュナ、マーハ、ユエリャン、モーネ・・・、やはりししっくりきそうな呼び名はルナですかね、ルナ」と私はその子猫に呼びかけた。


 にゃにものか、わからにゃいもにょに、にゃたしはりゅにゃとよばれたにゃぁ、ゆびにじゃれつかれおにゃかいっぱいににゃったわたしは、おおきにゃ、あくびをして、ねむりにおちてしまったんだにゃ。

(人と猫である境が分かっていない私は私の名前を付けてくれたその人にじゃれ疲れ、大きなあくびを見せてから眠りに入ってしまった。私の名前はLUNA、そうご主人様は私にその名前をくださった・・・)


 寝てしまったか、Lunaと言う名前気に入ってくれただろうか、私はまるまって眠ってしまったその子猫を寝台に起き、上から毛布を掛けてやってから、頭を一撫でし、浴槽へとむかった。


 翌日は日曜日だった、猫子育ての記事を見ながら、お手洗いの方法をおしえたり、外へも出かけずかいがいしく、Lunaの相手を私はしていた。猫の種類は調べによるとNorwegian Forest(ノルウェージャン・フォレスト)に似ていた。銀色と少し黒が混じった背中の毛並み、純白のようなお腹、裏全体のあでやかな毛並み、なぜこのように愛らしくきれいな仔猫が生後間もない状態で捨てられていたのか私は疑問に思えてしまいました。もし、かりに血統とは違う種、いわゆる雑種になってしまったからと言う理由で捨てた方に殺意さえ覚えてしまいました。


 私はventure企業の一技術者だが、創設時の立役者だったため、社長とは何でも話せる中だったし、動物を飼っている彼に、職場に仔猫を連れてきてもよいかと連絡したら快く了承してくださった。

 一ヶ月で掌全体に乗るような大きさになり、そろそろ離乳の時期であると調べてわかっていた。調べる前は猫に魚は当たり前だと思っていましたが、それは日本だけの常識だと理解し、品種が海外系であると信じ、鳥や牛などの、生、茹で、燻製、乾燥系など一通り用意し、Lunaがどれを好むのか、試す毎日が続きました。

「るなぁ~~~、お食事ですよぉ」と陶器皿に用意した茹でささみとPurina ONEと言う商品のchicken & turkeyを床に置いた。

「ふにゃぁ~~~」とかわいらしい声をあげるだけで、食べてはくれなかった。

 私はどうしていいのか分からず、思案し、床に胡坐をかいて、Lunaを膝の窪みの上に仰向けに寝かしつけると、少量の茹でささみをさらに割いて、Lunaに与え、それがなくなると、一粒ずつ仔猫の口にdry foodを近づけました。一粒一粒ゆっくり必死に食べるLuna・・・、ほほえましいです。最後を飲み込んだ頃に、私の人差し指に付着しておりました、顆粒状の粉を必死に舐める仕草の可愛らしさはもう、至宝と言っていいでしょう・・・。


 しばらく日数が経つと、小皿に乗せたdry foodも自身で食べるようになり、食事をする前に必ずと言って『にゃぁ』と声を上げて、私の足首に頭を摺り寄せてから、皿の食べ物を口にし始めました。


 ごしゅじんさま、きょうはいいことがあったのかにゃぁ、りゅなのすきなゆでとりさんがにゃくさん、はいっていますぅ。るにゃがごはんをたべているあいだ、ごしゅじんさまもじしんのしょくじのじゅんびをしているようでしたにゃぁ。

(今日は何かいいことがあったのでしょうか、私の好きな茹でささみが多く入っておりました。私が食事をしている間、ご主人様も自身の夕食を作り始めている様でした)


 るにゃがおさらのものをぜんぶたべおわったころ、ごしゅじんさまは、るにゃのところにあゆみり、つまんでもっていたしゃしゃみさんをるにゃのかおにょまえでぷらつかせたにゃ。るにゃはもにょほしそうに、しゃしゃみさんのうごきにちゅられ、かおをふらふらさせたにゃ。

 ごしゅじんしゃまのてがとまったところで、そのしゃしゃみしゃんにとびちゅいたのです。

(私が食事を終えたころにご主人様は歩み寄り、手に持っていたささみの切れ端をちらつかせていました。まだ食べ盛りの私ははしたなく、それを目でおってしまっていた。ご主人様の手が止まったところで、くださるのだと思い、ささみに飛びつき、はむはむしたのでした。)

 

 るにゃが、しゃしゃみさんをたべおわったころに、るにゃのあたまをにゃでにゃでしてくれてから、ごしゅじんさまもゆうしょくをたべはじめたにゃぁ。

(私が食べ終わってお腹いっぱいの鳴き声を上げると、頭を数回撫でて下さった。そののち、ご主人様も自身の夕食を取り始めたのでした。)

 


 二ヶ月で両手の中に納まるくらいの大きさにまでなりました。

 とても甘えん坊に見えるのに私以外には一切なつかないようで、私以外の人が撫でようとするとその手を払いのけてしまう事が多かったです。

 二か月後にE-Arthの病院へ連れていき、予防接種を行った。


              --- 毎週訪れる日曜日 ---


 きょうはごしゅじんしゃまのきゅうじゅつ、ごしゅじんしゃまは、やすみにょひでも、きしょくただしいしぇいかつをしているにゃぁ。るにゃはいいこでゃから、おむちゅびにのって、ごしゅじんしゃまのおしょうじのおてつだいをするにゃぁ。

(今日は、ご主人様の休日、ご主人様はお休みの日でも規則正しい生活をしていました。朝食後はお掃除をするようでしたので私もおにぎりの上にのってお掃除のおてつだいをしたのでした。)


*おにぎり:三角形の形をした自動運転掃除機


 ひろいおうちの、おしょうじもおわり、るにゃとあそんでくれるとおもったのに、ごしゅじんさまはしょふぁにこしかけ、かべにょしかくのへいめんにょなかのうごくものをみはじめてしまったなぁ。

(お掃除が終わった後は私と遊んでくださるのと思いましたが、用具を片付け終えると、ご主人様はソファーに座り、壁の四角い大きな枠の中で動く物を見始めてしまった。 <- TVの事)


 るりゃは、ごしゅじんしゃまにかまってもらいたくて、しょふぁのせにゃかごしににゃぁ、にゃぁ、いって、ごしゅんしゃまのあたまのうえにとびにょったにゃ。

(私は遊んでほしくてご主人様の背後から何度も呼びかけましたが、反応してくださらなかったので、飛んでご主人様の頭の上に飛び乗ったのでした。)

「ふにゃぁ、ふにゃぁ~~ぁ」

「ルナ、私が休んでいる邪魔をしないでください」

「ふにゃぁぁ」


 私は頭に飛びついたLunaの首筋をつかみ、私の顔の前にもってくると、一撫でしてから、Lunaを肩に乗せ、猫じゃらしが閉まってある扉からそれを出して、15から20分だけ、相手をしてあげることにした。甘いのでしょうか・・・。遊び疲れたLunaはその場で寝てしまい。寝台に寝かせてからとり貯めしていた、情報番組、News、Animation、連続小説物をSデス、XperiaX2Z(double X mark Zeta)を操作しながら、見聞き流していた。


              --- 約半年後 ---


 私がLunaを育て始めてから約半年が過ぎ、Lunaの避妊が出来る年齢になったことを思い出しました。早めに施術しておいた方が、避妊後の性格の変化が少ないとか、発情期を迎える前に行った方がよいと知人や、Netの調べで分かっておりましたので、予約し、日程を決めたのち、またE-Arthの動物病へLunaを連れていくことにしました。

 その際の、Lunaが籠に入ってくれなく、逃げたり、隠れたりされ、1時間以上もLunaと格闘してしまいました。Lunaもいつもと違う雰囲気の私に何か感じ取り、嫌がったのかもしれません。

 二泊三日のお泊りの手術。病院にて・・・。


 ふぬやぁ、ふにゃぁ、ごしゅじんさま、るなをみすてないでくださいにゃ。かごのなかにいれられたるなは、すてられるのだとおもい、せなかをむけていってしまう、ごしゅじんさまにさけんだにゃ。

(いつもと表情は変わりません、ご主人様、しかし、雰囲気的な様子が変でした。籠に入れられ、連れてこられた場所は記憶のある所でした。籠に閉じ込められたまま、背中姿のご主人様、もう二度と会えないような、そんな感じがして、振り返って、ほしくて、何度か、呼んだのですが・・・、行ってしまわれた。)


 手術から二日後、私はLunaを引き取りに仕事の帰りに病院へ向かったのでした。

 私の迎えを待ち切れなかったのか、院内に入り、私の気配を感じると、


「にゃぁ、にゃぁ、にゃぁぁああ」

 (ご主人様、ご主人様、ご主人様ぁ、私は捨てられたのではなかったのですね。大事なものを失いましたが、と思いながらご主人様の胸に飛びこんだ。)

「あまえんぼうめ・・・、お世話になりました。次の予防接収の時またよろしくお願いいたします」

「ルナちゃん、おだいじに・・・」

 会計の言葉に会釈をして、かごに入れないまま、片手で抱きかかえながら私は車へと向かう。

「ルナ、いたかったか?、よく頑張りましたね。今日の夕食はルナの好きな全茹でささみにしてあげますからね」

「なぁ~」

(私はご主人様のその言葉よりも、捨てられたと思っていた私は、私を迎えに来てくださった方が、よほどうれしかった。私は鳴き声の後にご主人様のほほを何度もぺろぺろしていたのでした。)


 夏の暑い日が続く。私は自宅にいるときは家中の窓を開け、外気から吹き込む風と、扇風機だけで、暑さをしのいでいました。Lunaは日陰で暑さをしのいでいるようでしたが、しのげているようには見えません。

 

 毎週の休みには欠かさずBrushingはしているはずなので余分な体毛はないと思うのでbrushingをしないよりも、涼しいはずなのですが。

 体を洗ってあげて涼ませてあげましょうか?しかし、猫は水につかるのを嫌がると雑誌には書いてありましたしと悩みながらLunaが入ることが出来そうな桶を探し、水を張り、水撥ねしても大丈夫なように大きめの敷布を用意していました。

 私はLunaの胴脇を両手でつかみlunaを桶に近づけると、足と尻尾をばたつかせ、嫌がるそぶりを始めた。しかし、私はそれを無視して、Lunaの半身くらいまで桶につけると、気持ちがよかったのかおとなしくなり自身から進んで桶の中の水に体を沈めていました。

 顔だけ桶のふちに出すLunaの頭に小さく折った布巾を乗せ、まるで人が温泉に入っているような姿にさせ遊んでいました。

 ふぅ、気持ちよさそうですね。私も水風呂に入って涼しみましょうか・・・。


              --- 更に月日が過ぎたある日 ---


 それは私がご主人様に拾われてから1年が過ぎた頃の事でした。朝食後、ご主人様に遊んでいただきたくて、ご主人様をさがす、私。大居間にも、台所にも、浴室にも、二つあります、客室にも居ませんでした。

「なぁ~、にゃぁ~」

(ご主人様、ご主人様・・・とお呼びしても、反応が返ってきません。)


 ご主人様は基本お独りになるのが好きなようです。ご主人様は何でもできてしまう方なので、誰か一緒に過ごすところ見かけたことがありませんし、異性に興味がないのでしょう、私以外の異性の臭いを嗅いだことがありません・・・。

 

 ご主人様はどの部屋も扉を完全開放しておりますので、私の入れない場所はありませんでした。

 廊下をきょろきょろしながら、部屋全体を眺め、ご主人様を探します・・・?玄関わきのいつもしまっています、引き戸が私の掌分開いておりました。その隙間から光が漏れています。もしや、その部屋にご主人様がと思いまして、隙間からそっと覗きますと、大きな椅子の背中だけが見え、ご主人様の頭上が少し見えるだけでした。

「なぁ~~ぁ」

(ご主人様ぁ)と呼びかけるも、振り返ってくださいません。私は手を扉の隙間に入れ、ちょいちょいと押してみました。扉は軽く、私の体が通るくらいまでは開いたので、部屋の中ほどまで入り、再び、

「なぁ、にゃぁ~」

「ご主人様、ご主人様」とお呼びしました。しかし、やはり気づいてくださらない。私はご主人様に構っていただきたい、一心で、勢いよく、椅子の背に飛び乗り、ご主人様の正面になるように広めの机に飛び降りました。私の背中の四角い大きな枠では異性同士の裸体の動く映像が流れています。

 そして、まさにその時、ご主人様、「えっ!?」と小さく漏らす言葉と驚く顔を覗くのと同時に私の頭に何かが掛かってきたのです。


 私は何だろうと思い、頭に手を乗せ、付着した物を肉球で拭うと、口の前に出して、ぺろりとなめてみたのでした・・・。

「えぇ、えぇぇえっ!」と更に先ほどよりも大きな声をあげて驚くご主人様、どうかなさったのでしょうか?


 驚くことも、笑うことも、悲しく思うこともほとんどない私は目の前の事象に驚きの声をあげ、椅子を回転させ、Lunaへ背を向けていた。今まで、私がしていた行為があたかもなかったかのようにそっと、先端に白い物が残っているまま下腹部の開いていた扉を閉じ、

「ルナっ?、服を着てください、服を・・・?人のような姿になったからといって、人の言葉が分かるはずがないか・・・。」

「ご主人様、どうかなされましたか?」

 私は私に何が起きたのか、すぐに理解できてしまいました。人の言葉も理解できますし、人が持つ知識も理由はわかりませんが、しっかりと認識できたのです。ただし、本来猫である私は裸体でいる事への羞恥心がありませんでしたので、ご主人様の服を着てくださいという意味は理解できませんでした。

 私が人語で答えを返すと、ご主人様がまた驚いたような気配を私は感じたのです。

「何故、服を着ていないのですか、ルナ」

「身体が人化したからといいまして、衣服も一緒に仕立て上がっているようなおかしなことはあると思いません」

「いや、いや、いやぁ、すでに不可思議が現象が起きているのですから、その位補正して、ください!!」

「ご主人様、そのような、都合のよい、ご無理なことは申さないでください、魔法や異能は持ち合わせておりませんですので」

 わたくし、ルナは何か魔法?特殊な力を持ち合わせているような感じを覚えていましたが、ご主人様にはそう申しておきました。私の言葉にご主人様は反応してくださらなく、手近にあったSデスを操作しはじめ、

「ああぁ、もしもし、虎次郎です」

「えっ?なに、兄さん、電話なんか年に片手の指がおり切れることがないくらいに、くれたこのないのに」

「卯月、貴女の服で構いませんので、一着、下着を含めて私のところに持ってきてくださらないでしょうか」

「はぁ、兄さん、頭沸いた?突然、なにいってんの?」

「うづき、お願いです。私の頼みを聞いてください、事情はこちらにこらればすぐにわかりますから」

「ばぁっかじゃないの、そんなの近くの女友達にたのめばいいじゃない・・・、ああぁさっしぃ~、兄さん女友達なんて一人もいませんものねぇって、どのくらい時間かかると思っているのよ。はぁ、もうしょうがない行く、行くわよ。礼はきっちりいただきますからね」

「宜しくお願いいたします、うづき。今、外出できる状況でありませんから、駅まで迎えに行ってあげられませんのでTaxiか何かで来てくださいね」


 ご主人様はSデスで誰かと会話をしている様でした。その間、ずっと私は膝を机の上に立てた状態の中腰でご主人様の電話が終わるのをお待ちしていた。

「ルナ、いいですか、その場を動いてはなりません。私の言いつけを聞いてくださらないのなら、捨てますからね」

「るっ、るなを捨てないでください。ご主人様ぁ~~~、お言うこと聞きます」

 私は捨てられたくなく、尻尾を振り振りし、耳をへこへこと垂れさてていました。

「妹が来るまでこの部屋で大人しくしていてくださいね」とご主人様は申しますと部屋から出て扉を閉めて出て行ってしまったのです。


 妹が来るまで、Lunaの目にした容姿を脳裏に浮かべていた。頭髪は猫だった時の銀色に真ん中だけ黒と白色のmècheになっており、真っすぐで艶があり、腰くらいまで伸びていました。

 それと胸なのですが・・・、猫の状態では絶壁で虚乳に近いのになぜ・・・。

 耳は人と同じ部分にはなく、頭の上のあの動く二つ。当たり前のように動かせる、あのしっぽ。

 避妊手術を行った後数日後に、買ってあげた白桃色で蝶neck-tie風の首輪は身体が大きくなった瞬間、引っ掛け首つり防止機能が働いて、鈴の音とともに外れてしまってもいました。

 

 それから約一時間半が過ぎ、大玄関の通話口から大声で

「妹様がきてさしあげましてよ、さっさと玄関を開けてくださらない?」

「もう少し、おしとやかにできないのですか、貴女は」

「こんなDo田舎まで、呼び出しておきながら、何て言い草なの、兄さんは」


 大玄関を遠隔操作で開き、自宅に来るように妹に促すと、妹が来るのを私は玄関先で待ち、妹と顔を合わせると、彼女は相当不満そうな表情で、

「何で、兄さん、私の服をもってこいなんていったのです?」

「口で説明するよりも、みればわかります、さあ中に入って、すぐそこの書斎を開けてみてください」


 妹は私に促され、靴を丁寧に脱ぎ、中に入り書斎を開けての一声が

「虎次郎、お兄様のDo変態っ!!!!、なんですの、拉致、監禁?身内に犯罪者が、恥の恥ですわぁっ!!!」

「大きい声を出さないでください、よく、彼女の頭と腰のあたりに動く物を見てください」

 Lunaは私の声に反応して、耳をつん立て、尾をゆっくり揺らしていた。

「えっ、きゃぁ、きゃわぃぃぃぃいい」

 妹、卯月は口元に手を当て、驚いた後に、Lunaに飛びついて、Lunaの頬に自身のそれを密着させ、頬ずりを始めてしまう。

「なに、これ、どういうことなのです、兄さん。ねぇ。何て名前なの?」

「ルナにございます。ご主人様の妹様」

「ご主人様?そんなこと言わせて兄さん、そんな趣味、DDo変態ですわっ!」

「いいから、彼女に早く服を着せてあげてください。身に着け方もわからないでしょうから教えてあげてください」

 私が卯月にそう伝えると持ってきた鞄から彼女の服を取り出し渡そうとしていた。妹は初めに自身とLunaの胸を交互に見やって、取り出したbrassiereをLunaの胸に当ててながら、

「あっ、無理。兄さん、るなちゃんのののこの胸、妹への当てつけですか、くぅっ、私の胸のの痛み、後でBuっ殺して差し上げますね。エフからジーくらい・・・、兄さん、大きな包帯かなにかもってきて、さらしのかわりにするから」

 一撃殴られてから、妹に言われ、救急箱からそれらしいものがないか探し、Lunaを見ないように渡していた。妹が着付けをしている間、彼女から、Lunaの事を色々尋ねられていました。

 それからしばらくして、服を着せ終わった妹が

「やっぱり、私の服じゃきつそうねぇ、とりあえず裸じゃなくなったのですから、兄さん、買いに行きましょう・・・、でもいつから飼い始めたのですか?どうしておしえてくれなかったんですか?ルナちゃんが小さかった頃の写真無いのですか?」

「一年位前です。貴女に教える必要などあるとは思っていませんでした。写真など必要ありません。私の記憶にあれば十分です」

「うわっ、最低、だから女子にもてないのよ、ばぁ~~~かっ、」

「ご主人様の妹様、私の幼少のころの写真を見たいのですか?」

「そのよびかた、親近感ないからぁ、私の事はうづきていいよ、ルナちゃん」

「分かりました、卯月様・・・、わたくしのしゃしんでしたら」

とLunaは言葉にすると、何もない空間を掌でなぞる。すると現代科学ではありえない、空間に平面映像を数枚表示させた。

「これが、ご主人様に拾われたころの写真です」

「きゃわゆぅ~~~、こんなころのるなちゃんをひとりじめしてたなんて、まじ有り得ない。ほんきでまじでちょうDoDDo級の最低、だから女の子にもてないのよ」

 私は妹の罵り言葉などに耳を貸さず、Lunaのした、その魔法のような技術の方に興味が行っていましたが、

「服を買いに行くのなら早くしてください、閉店間際で慌てて探すのは非効率です」

「その理系志向だから兄さんはもてないのよ、わからないかなぁ~」

「私は女性にちやほやされたいなどそのような欲求は御座いませんのでどうでもいいです」

 私はLunaの猫耳が隠れそうな野球帽子を被せ、談笑し始めるLunaと卯月を強制的に外に出し、車に乗せると近くの大型洋服店『しまむら』へ急行した。店の隅で服選びを任せて・・・、何時間待たされているのでしょうか。

 二時間・・・、会計の時に妹に呼ばれ、その金額を見ると・・・、お金の価値を分かっていなそうなLunaが

「ご主人様、申し訳ございません。無理に私はほしいとは思いませんので・・・」

「甲斐性なし、だしてあげなさいよ、このくらい」

「払わないと入っていませんよ」と店員に醜態を見せてしまったことに恥を感じ、直ぐにcredit cardを出して、会計を済ませたのでした。ついでに夕食の支度の買い物を済ませ帰路に着いたのでした。


 自宅に戻ると妹は書斎にLunaを連れ込み、買ってきたばかりの服に着替えるから覗くなと言って、扉を閉めました。

 覗く気などなく、台所へ向かい買ってきた食材を冷蔵庫に収めると紅茶を準備し始めました。

 時折、書斎から「きゃぁぁっ、るなちゃんかわいいぃ」と妹の叫ぶ声がしたが、無視して、淹れた紅茶をすすりながら雑誌を読み始める。19時半を過ぎた頃、書斎から着替えを終えたLunaを連れた妹、卯月が居間に姿を見せ、

「るなちゃんの着替え終わりましたよ、見てあげなさい」と言われ、振り向くと、

「ぶhっーーー」

 紅茶を吐き出しそうになる口を押え、飲み込んでから

「何ですか、その格好はっ!!!」

「えっ、かわいいじゃ、めっちゃ」

「ご主人様、気に入りませんか」

「えっ、いや、うん、その・・・、かわぁ・・・・ぃぃ」

 妹がLunaに着せてあげた衣装は、俗にいう、あれです、あれ。私の口からはとても恥ずかしくて言葉に出せません。あまりにも似合いすぎていて、可愛すぎるその格好に私は正直、顔を赤く染めていた。

 しまむらにあのような衣装も置いてあったとは驚きですよ。


 Lunaは私が可愛いといったことがうれしかったらしく、耳をピン立てて、両手を顔に添え恥ずかしがっている様でした。

「ご主人様、わたくし、ルナをお育ていただき、大変感謝の至りでございます。これからはわたくし、ルナがご主人様のお世話をさせていただきたく申します、どうかよろしくお願いいたします」

 Lunaはそのように言葉にすると、ひらひらのMAID服の裾脇を指でつまみ、軽く上げて、はにかんでからお辞儀をしていた。

「うづきさまに料理の事をききましたので、わたくしが準備させていただきます。ご主人様はそれまでゆっくりとおまちくださいませ。」

「今日、人に化けたばかりの、ルナが料理ですと?ありえません」

「ご主人様、任せてくださいませ」

「やらせてあげたら、虎次郎兄さん。たぶん大丈夫ですよ、猫が人になるよに簡単ですって」

「わかりました、お任せします。好きなようにしてください」

 にこりと微笑み台所へ向かうLunaだったが、私は特に期待はしていなかった、出来なかったなら出来ないで構わない。自身で作るだけの事だから。私のために頑張ってくれるのでしたら、多少台所が散らかったところで叱ることもしないでしょう。


 それから三十分が過ぎて、Luna、私と妹の分の料理を盆にのせ運んできたのでした。そして私はまた驚く。料理する私でもうまく作ることのできないOM-riceだった。きれいに焼けた表面とketchupで描いた、猫?虎?ああ、妹の方は兎の様なのでたぶん虎ですね。の絵が上手に書かれていました。

 Lunaは私の隣に座り両手でHeartの形を作ると

「Love Loveにゃぁん、にゃぁん、おいしくにゃぁ~~~れぇ」と言葉にしたのでした。

「なななぁなっ、なんですかそれは」

 こういうことに免疫のない私は顔を赤くする。

「卯月様が教えて下さりました、料理が美味しくなりますというおまじないだそうです」

 正面の妹が口を押えぷくくと笑ってい、Lunaは微笑ましく言葉にした。

「ご主人様、わたくしがお口に運んで差し上げましょうか?」

「大丈夫です、自分で食べますから・・・、いただきます」

 少し張り不満そうな顔意を見せるLunaを外目にぞんざいな言葉で、言い放つと匙を握り、Lunaがつくってくださった、それを口に運んだ・・・。ああぁ、これは美味しいです。予想以上ですというか予想外でした。このchicken riceの味の深さ、お店で出してもいいくらいですね。

 私が美味しいと感じていることがLunaは理解したらしく、嬉しそうに赤らめ、大きく尻尾を振って耳を左右に動かしていた。・・・、これは頭を撫でてほしいというLunaの体現の一つでした。

 私は空いている右手で、彼女の頭をなでてやると、嬉しそうに更に微笑み、

「にゃぁ~~~」と声をあげていました。

 私は何回か口に運んでから、次に掬った匙をLunaの口元へ運ぶと私の意を理解したらしく、口の中に入れ咀嚼し飲み込んだのちにほんの少しだけ表情を赤くし、微笑んでいました。そして、また無言で、同じようなことをしようとすると、

「こちらの料理はご主人様のために作ったものです、わたくしがこれ以上、私が頂いてしまうのは、憚れることにございます」

「ルナはおなかすいていないのですか?」

「先ほど、調理している間に・・・、その・・・、材料に使っていました。とりさんを少々・・・」

 Lunaは申し訳なさげな表情、耳と目を私の視線からそらしながら、その様に答えを返してきたのでした。

 私は匙を置き、台所へ足をはこぶと、作り置きの茹でささみをZipごと冷蔵庫から取り出し、居間兼食堂へ戻る。そして、Zipから一本ささみをとりだすと、Lunaの目の前にふらふら揺らした。

 その動きにLunaの顔と目が追い、

「しゃしゃみしゃぁ~~~~ん」といって食いついたのでした。

 習性的に飛びついたことを恥じ赤らめるLunaと

 妹はLunaのしぐさをかわいいと思いつつも私のとった行動に、

「ルナちゃんに、そんなことさせるなてやっぱり、兄さんは、くずよ、ごみよ。Choさいてぇ。ルナちゃん、ごめんね、こんなDo畜生な兄で」

 妹は私へ蔑みの目で見ながら匙で掬った彼女のChichen riceの中の鳥肉片をかき集め、Lunaの口元へ向けていた。それをLunaは食し、よく噛んで飲み込む。

「卯月お嬢様、ごちそうさまにございます。ですが、これだけは申させてください。ご主人様はとても良い方です、そうでありませんならば、私、ルナは遠の昔にこの命を詰まれております」

「もぉ、そんな真面目な顔で言わない、わかっていますわよ、そのようなこと。ほんと、ルナちゃん、まじめでいい子なんだから」

 妹は言葉が終わるとLunaに抱き着いてLunaの胸の中で楽しそうに頬ずりをしていました。

 私は二人のやり取りなど無視して、Lunaの作ってくれた料理黙々と食べていました。Lunaが準備してくれたのですから、片づけは私がするというとLunaはそれも自身の仕事だと口にし台所から私は追い出されていた。

 妹にTVを取られた私は10"のSデスの中に入っている非課金系電脳遊戯を楽しんでいました。

 片づけが終わると、Lunaはお盆に何かを載せて戻ってきた。pie生地に桃が乗っている洋菓子と紅茶でした。

「私甘いもの、あまり好きではないのですが」

 まあ、私がこのような言葉を口にすれば、Lunaの反応は予想できなくもないが、習性なので口にしてしまう。妹は私の言葉の配慮のなさに毒づき、非難の目を私へとむけていました。しようがなく、半分だけ食べ、甘すぎず、桃のしっかりとした味、歯触りも、噛みしめた感触も心地よい生地を堪能しながら、紅茶で口の中に残る甘みを流し込みました。


 私が湯につかっている間、泊っていくといった妹は寝間着姿になると、Lunaに一緒に寝ようとしきりに誘っていた。

「私はご主人様と」

「だめぇ、あんな変態と添い寝なんて、絶対許さない。その身体でお兄様と添い寝なんて破廉恥でしてよぉっ」

「わがままを申さないでください、卯月御お嬢様・・・、・・。あなたの上に満ちます、光の円環、それは眠りをいざないし、安らぎへと導く安寧の冠、卯月お嬢様に良い夢を・・・、ヒュプノシスクラウスン」

 私、Lunaは安眠のための魔法を唱えますと、言葉の最後に卯月様に冠をかぶせる様に私の両手を卯月様へと乗せたのでした。一瞬で眠りに落ちてしまいました卯月様の身体が崩れ落ちてしまいます前に抱き留めまして、ご主人様が妹様へ用意してくださった寝室へ運んだのでした。

 そして、ご主人様が浴槽からでて、寝台へ体を寝かせたころに空いている場所に中膝立ちで飛び乗りました。

「ルナ?何をしているのですか、明日からまた仕事ですので私はもう就寝するのですよ。あなたに用意してあげました寝室へ戻ってください」

「いつも、一緒に寝てくださいますのに、なぜ、本日はお許し願えないのでしょうか?」

「それはルナが猫の時であって、人の姿の貴女の時は許せるわけないでしょう。ご近所にどのような噂が立つかわかりませんので、早く出て行ってください」

「では、これならいいのですね?」


 私、虎次郎はLunaの言葉の後、『ぽふぅっ』と音を立て、不可視な煙が出た後、彼女が座っていた場所に残された衣服を見て目を丸くした。一部だけ隆起していた場所がもぞもぞ動き、服のつなぎ目からLunaが猫の姿で顔を出し、

「ご主人様、おやすみなさいにゃぁ~~~」

 大きなあくびを私に見せ、更に私の方へよってきて、丸くなってねてしまった。

 猫姿でも人語を喋られる、奇妙さと驚きを交えた苦笑いで、Lunaの服を椅子に掛けると私も眠りに落ちたのでした。


              --- 翌 朝 ---

 

 午前6:25分、私ルナは窓掛の隙間から差し込む、日の光に目覚め、両手両足をそろえまして、コの字に体を伸ばしました。ご主人様の所へ引き取られてから、どのくらいお経ちしたころなのか、記憶はあいまいでございますが、朝、六時半にご主人様を起こすことは私の日課になっておりました。

 私はいつもの仕草でご主人様の頬をざらざらしております舌でやさしくなで、朝の到来をお知らせしたのでした。

「あぁ、うん、おはようございます、ルナ」

 ご主人様は上半身を起こそうとお寝ぼけした、表情でご主人様の胸に乗っているLunaの胴を両手で抱こうと腕を伸ばしてきたのです。

「にゃぁうぅん」

「はあっ」

「ふにゅぅ?」

「え?」

「どうなされたのでしょうか、ご主人様」

 恥ずかしがるような声を漏らす私、違和感を覚えた様子のご主人様は

「???うん?るなっ!どうして、人化しているのですかっ?ふくをきなさい、ふくをっ!」

 私はご主人様のその言葉と一緒に寝台から力任せに放り出されてしまい、

「ふにゃぁっ、ご主人様、おひどいにございますぅ」と。

 ご主人様の大声に目をお覚ましになられてしまいました卯月お嬢様が姿をお見せになり、

「朝っぱらからうるさいですわよ、何の騒ぎです??????お兄様の破廉恥、人でなしっ!変質者っ!!!くずっ、ごみっ!」

 と罵りの声と軽蔑の眼差しをご主人様向けて、更に手を固く握りますと、ご主人様の鳩尾へ深く、突き刺していたのでした。なぜ、卯月様が、ご主人様へお罵声をかけたのかの理由がわかりませんできょとんとしております私と私の衣服を持ちまして、ご主人様の寝室から連れ出されてしまいました。


「はぁ、もぉ、朝からさんざんですよ。、、、ルナ、留守番お願いいたします」

「ルナちゃん、またあそびにきますねぇ・・・、あぁあぁ~それよりも私の所へくる?」

「貴女にお願いした用はもう済んでおりますので、もう二度と来なくて結構です」

「ルナちゃん、独り占めなんてゆるされるわけないでしょぉ~~~ばぁ~~~かっ」


 Lunaが準備してくれた軽い朝食を終えて、出勤の準備ののちに途中で駅まで送る妹と見送るLunaが玄関にいました。妹、卯月はにこやかに手をLunaに振ると、玄関から出ていき、私もLunaへ手で軽くあいさつを交わし、妹を追いう。


 私は妹を追いながら、考えたのです、このような現象は私だけのものなのだろうかと。しかし、私の考えは正しくなく、この現象は世界中で少なからず起きており、飼い主にとって驚くべくも、嬉しい奇跡であり、誰にも知られたくない、秘匿すべき自身のものだけにしたかった考えに至り、巷に流行る多種のSNSに投稿されることで、世に広まる事態にはなっていなかった。だが、その事実も、数か月後には別の原因で明るみとなってしまうのだった。

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