第2話
『七海ちゃん、横断歩道歩いてたんだ。その時、車が突っ込んで来て…病院着いた時には心肺停止の状態で、一回回復したらしいんだけど…』
よしきの声がずっとループする。
俺が着いた時には、もう手遅れだったんだ。
眠る彼女は傷はたくさんあったが今にも起きそうな顔をしていたから信じられなかったんだと思う。だが、彼女に触れた瞬間に冷たかった。先日までは確かに温もりがあったはずなのに今では驚くほどに冷たいんだ。彼女のはずなのに、知らない人のような感覚だった。
*
彼女が亡くなり1週間が経った。
1週間経ったとしても立ち直るなんてこと出来なくて、ずっと学校に行かずに引きこもっていた。
周りの人はゆっくりでいいよ、と気を使ってくれているのが分かるがまともに話なんて出来ない。
彼女に会いたい、
会いたくて、会いたくて
全くと言っていいほど前には進めないんだ。
隣にいてほしい人がいないんだ。
あの溢れるような笑顔で「きぃくん」って呼んでくれる人は居ないんだ。
寂しくなったら空を見上げて。 伊桜らな @koto_yuki
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