寂しくなったら空を見上げて。

伊桜らな

第1話



その日は突然やって来て、君を連れ去った。

最愛の彼女がいない事実は、受け入れるなんてこと出来ないんだ。



『きいちっ!落ち着いて聞けよ?七海ちゃんがっーーーー』


俺は一方的に電話を切った。

頭が真っ白になりながらも走った。


走って走って、真実を知りたくて無我夢中に走った。



嘘だと思いたい…

昨日も、「また明日」って「大好き」って言って別れたんだ。

キスをしたら、照れた彼女が可愛かったのを覚えている。


走って向かう中、思い浮かぶのは笑顔の君なんだ。



「よしきっ!ルナはっ?」


さっき電話をくれた俺の親友に問いかける。

だけど、今にも泣きそうな親友を見ていれば答えは分かるんだ。でも、信じることなんて出来っこないんだ。


『きいちくん、よしきくん…。娘にっ、娘に会ってやって…きっと、喜ぶから。』






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