第355話 今日もやっぱりトド発生

 プレ・プログレスの設計をCADでちまちまやっていると、大広間の方の気配が動いた。

 どうも夕食の時間のようだ。


 部屋を出ると、卓球台を折り畳んで座卓にする作業中だった。

 元々の巨大座卓と併せれば18人は座れる。

 もっとも既に最大17人の状態だ。

 また近いうちに次の手段なりテーブルなりを考える必要があるな。


 皆でキッチンから大量の皿を運んでくる。

 ただでさえ種類が多いのに、全員に行き届くように4セット作ってあるから無茶苦茶に皿数が多い。

 俺も重い重い炊飯器をおっちらせと運ぶ。


 見ると今回は今までの中でも屈指の豪華さだ。

 刺身も元になる魚の種類が多い分多種でかつ多量。

 他にあらや内臓の煮物もある。

 キッチンの都合で焼き物や揚げ物は作れなかったみたいだが、これはまあ後日のお楽しみか。

 刺身系だけでも刺身、漬け、カルパッチョ等あるのは奈津季さん時代と同じだ。


「食べ過ぎると酷い目にあうので気をつけるれすよ」

 と一番暴食の罠にかかった回数が多い誰かさんが言っている。


 いただきますの唱和とともに戦闘に突入。

 そして間もなく炊飯器でおかわりをし始める人が続出し、割とあっさり3升の御飯が空になる。

 おいおい。


 しょうが無いので俺は重い炊飯器をキッチンに持っていき、代わりに冷凍庫から冷凍していた御飯を出して釜に投入。

 再びよいしょと運んで、とりあえず一番キッチンから近くの席にいた愛希ちゃんに頼む。


「ごめん、解凍お願い」

「はいはい」


 さすが優等生だけあってきっちりほかほかに解凍してくれた。

 炊飯器を元の場所に設置した処に、再びおかわりの列が発生する。


 刺身もかなり大量に盛り付けてある筈なのだが、残り少ない感じだ。

 ルイスがキッチンへ向かって冷蔵庫から刺身のサクを出し、切り始める。

 人数が多いので本当に戦場状態だ。


 ちなみに今の時点で、俺はまだ刺身7切れと煮物少々しか食べていない。

 御飯もまだ1杯目だ。

 早すぎるだろう、いつもながら。


 ◇◇◇ 


 当然の結果として、無事全員がごちそうさまを認めた後は、トドが出現する。

 今は露天風呂は混浴ではないので状態の確認は出来ないが。


 これが初回の1年生は全員暴食の罠にはまったらしい。

 鈴懸台先輩、ジェニー、ソフィー、愛希ちゃんといった懲りない面々もまあいつも通りだ。

 そして世田谷もかなり危険な状態のようだ。

 妙な動きで露天風呂方面に向かったが大丈夫だろうか。


 一通り片付いた大広間は俺、ルイス、ロビーの男性陣のみ。

 俺とルイスは体調を悪くする程暴食はしないし、ロビーはガタイそのものが大きいので常人より余裕がある。

 なので男性陣3人は今回も暴食の罠にははまらず無事だ。

 という訳で3人でニュース番組を見ながら3人でまったりしている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る