第354話 結論!早く新型よこせ!
世田谷と詩織ちゃんが2人してうーんと悩むこと30分。
結果、周りの宴会モードに流され、
「まあ後でまた考えましょ」
という、まあ状況に流された処で落ち着いてカラオケ始めて約1時間。
「ただいまー」
卒業組の皆さんが東京での買い物ツアーから帰ってきた。
元気いっぱいの3人と若干お疲れ気味の風遊美さん。
まあ由香里姉ら3人に付き合ったための疲れか東京往復の魔法での疲れかはわからないけれど。
ウキウキと戦利品を広げ始める3人をよそに、風遊美さんはふらふらと客間へ消えていく。
一眠りかひとっ風呂って処だろう。
「大分疲れていますね、風遊美さん」
「色々と回ったからね。混んでいるから魔法で。あれ、また2人増えて……美南どうしたの?」
どうも世田谷さんは由香里姉とも知り合いのようだ。
さすが攻撃魔法科筆頭。
「今は長津田君と研究室の同僚です。妹が学生会に入りたいと言うからついでに」
「成程ね。駒沢教官が頭抱えていた件か」
由香里姉は世田谷さんの研究室騒動を知っているらしい。
「美南なら問題は無いわね。ここは見たとおりの場所だから、気軽に来ていただいて構わないわ。他言無用な事は多いけどね」
「東京まで買い出しに行って来られたんですか」
由香里姉はあっさり頷く。
「風遊美ちゃんを足代わりに使っちゃった。ちょっと申し訳ない事したわ。流石に梅田も回ったのはやり過ぎだったわね」
おいおい東京だけでなく大阪まで行ったのかよ。
「それって鷺沼先輩の魔法でですか」
「ええ。勿論例の杖を使った上でですれど」
世田谷が呆れた、という顔をして俺の方を見る。
「結局あの杖、鷺沼先輩の分まで作ったの?」
「色々問題が発生してさ。まあ3号までで今度こそ打ち止め予定だけれど」
「それに鷺沼先輩も詩織ちゃんと同じように世界各地へ魔法移動出来る訳?」
「風遊美さんは東京までぎりぎりって言っていたな。詩織ちゃんは英国余裕って言っていたけれど」
「南米はまだ辛いのですよ」
詩織ちゃんが話に加わった。
「この杖は確かに性能的に強力なのですが、あとちょっと性能が上がれば世界一周出来るのです。今だと南米やアフリカは1回で移動出来ないのです。
また風遊美先輩の限界はここからだと岡山付近と言っていたのです。例のスーパーへの買い出しには問題ないのですが北海道スイーツ食べ歩くのには不足なのです。
なので結論は早く新型よこせなのです」
おいおい。
「確かに他言無用な件が多いのはわかったわ。まあ他で言っても半分位は信用されないと思うけどね」
「腹減った。飯はまだか」
向こうで鈴懸台先輩がキッチンを覗いている。
「御飯が炊き上がるまで30分かかるれすよ。諦めて待つれす」
「食後のデザートも買いましたけれど、今日は刺身の日ですから明日のデザートにしましょうか。半焼き菓子ですからそれ位は大丈夫ですし」
一段と賑やかになってきたなと俺は思う。
人口密度も高くなったしな。
飯が出来るまで自室に避難するとするか。
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