第28章 詩織ちゃんの新魔法と裏切りの黒魔女

第345話 珍しく静かな午前中

 本日は5月2日土曜日。

 ゴールデン・ウィーク後半戦は怒涛の5連休。

 天気もいいので学生会の連中は釣りに行っている。


 ロビーが魚探を作ったそうで、ジェニーも今日は留守番組だ。

 1年2人と2年3人、そしてルイスとソフィーが飛行漁船で出ているそうだ。


 詩織は何か用事があるらしく別行動との事。

 香緒里ちゃんと前述のとおりジェニーが留守番で、風遊美さんを含む卒業組は東京へお買い物にお出かけ中。

 風遊美さん単独でも例の杖があれば4人位は余裕で東京へ往復出来るそうだ。

 いいのかなと思うが、まああの連中相手に戦えるようなトンデモ連中がいるとは思えないので大丈夫だろう。


 だから今日はとっても、

「静かですね」

と香緒里ちゃんが言うような状態になっている。


 ジェニーは何やらお絵かきをしていて部屋から出てこないので、リビングに居るのは俺と香緒里ちゃんだけだ。


「この部屋に引っ越して以来最高の静けさだよな、確かに」

 俺もパソコン画面から目を外す。


 この部屋も最近だいぶ様変わりした。

 客間が完全に和室になったり、リビングも軽量畳敷仕様になったりと、まあ色々だ。

 カーテンだった窓も障子になっているし。


 家具もかなり改修した。

 応接セットはバネ工場へと移動し、メインはダイニングテーブルを改造した折りたたみ式の座卓になった。

 卓球台として活躍しているテーブルも当然座卓仕様に変更したり折り畳んだりが可能だ。


 結果、収容可能人員が大幅に増えた。

 由香里姉の代から日吉美雨ちゃんや綱島沙知ちゃんまで総計16人。

 この人数でもその気になれば就寝可能な状態だ。

 現に金曜の夜はリビングの家具を全部俺の部屋に運び込み、大広間状態にして夜通し宴会モードになっていたりするし。

 このまま放っておけば温泉旅館ではなく簡易宿泊所になるのではないかと、俺はち密かに不安だ。


 実は工場移転の時と同様、香緒里ちゃんと2人で住民増に対する策を考えてはいる。

 でもその案で全てうまくいくという保証はない。

 結構出たとこ任せの面もあるし。

 でもまあその対策の実施はまだまだ先、早くても今年の冬以降になる予定だ。


「会計処理は今月分まで終わり。税金支払を考えてもまあ悲しいくらいに黒字だな」

「ですよね」


 そして俺と香緒里ちゃんがやっているのはバネ工場の会計だの在庫だの注文だの処理。

 今では俺も複製魔法を使えるので、香緒里ちゃん制作のバネを複写する形で同じようにバネを作れる。

 それに働き手も増えたので、月に2日程度フル操業すればノルマはこなせる状態だ。

 まあ働き手というのはこの部屋にたむろしている学生会関係者の事なのだが。


「今年の旅行はもう取ったんだよな。相当豪勢にしても大丈夫そうだけど」

「今回はお盆明けからなので予約もそれほど難しく無かったです。ただこの人数だと全員入ってかつ集まれる部屋も取れる宿を探すのが大変ですね。下手な団体並の人数ですから」


 そう、俺もかなり苦労して探した覚えがある。

 古い旅館だと畳部屋が多くて融通がきくのだが、都会だとホテルで洋室タイプが多いので人数集まれる部屋の確保が難しいのだ。

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