第320話 温泉堪能!
結局どの外湯も熱すぎて、食事までに4、5、6の3つの湯に入るのがやっとだった。
実は6番のお湯がなかなか気持ちよかったせいもある。
6番は床が他の湯がタイルだったのに対し板製で、しかもかなり色々古びた感じの内装だ。
しかし何故かお湯の感じが他と違って気持ちいいのだ。
無論熱かったのでガンガンに水を入れたのだけれど。
それでつい俺も女性陣も気持ちよく長湯をしていたら、あっという間に食事時間が迫ってきてしまった。
仕方なく4人急ぎ足で宿へと戻る。
「来年はここに2泊しませんか。1泊だと忙しすぎます」
「いいですわね。どうせならのんびりゆっくり浸かりたいですわ。宿にもお風呂が七ヶ所あるそうですし」
「何なら今年の夏はどうですか」
「すみません。実は既に別の場所を予約中です。でもそこも面白い場所ですよ」
「参考までにどんな温泉か聞いていいですか」
「それは直前までのお楽しみです」
そうか、この組み合わせは俺を除き温泉好き連合な訳か。
まあここを気に入ってくれたようで、幹事としては何よりだ。
今回の旅行は温泉宿はここだけだけどさ。
時間的にぎりぎりなのでスマホで由香里姉とルイスに連絡を入れ、部屋に戻らず直接食事会場である広間へと向かう。
それでも広間に着いた時には、俺達以外の面子は全員揃っていた。
なおこの24畳の部屋は俺達で貸切。
13人と大勢なので旅館側が配慮してくれたようだ。
「どうせ何処かで長湯していたんでしょ」
と由香里姉。
完全にこっちの行動がバレているようだ。
「皆はどうしていたのですか」
「ここのお風呂入った後、温泉街の散策だな」
「温泉饅頭、色々な種類あるですよ」
「あと無料で出来る卓球屋なんてのもあったな」
攻撃魔法科プラス詩織組はそんな感じのようだ。
「ここの旅館探検したれすよ。公式ツアーも行ったれすよ」
「面白い建物です。映画に出てきた場所もありました」
北米組はそんな感じのようだ。
確かにこの建物、なかなか面白そうだ。
木造4階建てなんて今では絶対許可下りないような作りで、しかも細かい所まで色々凝っている。
夕食が運ばれてきる。
メインが鶏と根菜の鍋だからだとうか。
ちょっと田舎っぽい感じのメニューだ。
この場合の田舎っぽいは悪い意味ではない。
地のものを使っていて美味しそうだという意味だ。
メインの鶏と根菜の鍋の他は凍み豆腐やとろろそばややたら美味しいきのこ汁など。
見栄えは地味だか結構いい。
点数も多いし量もなかなかだ。
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