第315話 悪魔なゲーム(4)

 という訳で、何故か俺と奈津希さんの一騎打ちとなった。

 勘弁してくれよもう。


 そして発言者は詩織ちゃんだ。

 さあ、どっちを攻めてくる。


「修先輩、あとどれ位で私の収入が修先輩に追いつくですか」


 うう、負けないぞ、負けないぞ。

 辛うじてだが黄色表示に留まる。

 最近杖の売上が順調な分、ちょっとだけ心に余裕があった為だろうか。

 まあセーフはセーフだ。


 詩織ちゃんの隣はルイスだ。


「修先輩に頼みがある」


 お、俺への攻撃か。


「もし江田先輩の写真を持っていたら後で見せてくれ」


 何と途中で方向を変える変化球だ。

 でも奈津希さんは黄色表示までで持ちこたえる。


 そして次はジェニーだ。

 微妙に目が座っているのが怖い。

 これは絶対俺に攻撃が来るな。


「修さんは、結局誰が本命なのでしょうか。由香里先輩ですか、風遊美先輩ですか、香緒里ですか、まさか奈津季先輩でしたか」


 ちょっとどきりとしたが、これも黄色表示止まりだ。

 大分慣れてきたな。


 隣は風遊美さん、その次は俺だ。

 もう台詞は決めてある。


『春休みの旅行、東京で2泊する予定ですが1泊目の宿、奈津希さんは必要あるでしょうか?』


 そう聞いてやる予定だ。

 さあ早く回ってこい。


「さて、私の番ですね」


 風遊美さんだ。

 まあ大丈夫だろう。


「修さんに質問します。このマンションに引っ越して3年目も半ばですね。もう女性ばかりの露天風呂には慣れたでしょうか」


 お、おい。

 その話題を今更出すか!


 気づいた時にはもう遅かった。

 表示は赤色、完全にアウトだ。


「学生会長がむっつりスケベと判明したので、ゲーム終了です」


 こらソフィー、その発言は無いだろう。

 でも気の毒そうにこっちを見ているのはルイスだけだ。

 他はもっともらしく頷いていやがる。


 ただ一言、弁明させて欲しい。

 俺は何も望んで露天風呂を作った訳でも、好き好んで入っている訳でもないんだ。

 頼む、というか上級生は皆この事は知っているだろ。


 もう一度言う。

 俺のせいじゃない。

 信じて欲しい。

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