第314話 悪魔なゲーム(3)
次の発言者は月見野先輩だ。
「バネ工場の注文と在庫の方は大丈夫?」
これは問題ない。
もうすぐ春休みなので旅行代がてら強制労働してもらえばいいだけだ。
そして鈴懸台先輩。
「この前朱里が魔技大の院生と歩いていたけどさ、結構イケメンだったよな」
瞬間的に赤くなる表示。
月見野先輩、早くも第3ゲーム進出決定!
奈津季さんの番だ。
「やっぱり修は一昨年のビキニ型チョコの方が好みだったのかな」
負けない、負けないぞ!
何とかセーフ。
香緒里ちゃんの番になる。
「今年は税金が厳しかったので、春の旅行は取りやめです!」
ああああああっ。
香緒里ちゃんと俺以外全員が一気に赤表示になってしまった。
やるな、香緒里ちゃん。
「本当ですか?」
思わず聞いている風遊美さんの目がちょっと本気だ。
「冗談です。本気にしないで下さいね」
にっこりと香緒里ちゃんが返す。
「さて、一気に脱落したので次は5人で対戦ですね。3人勝ち抜きにします」
鈴懸台先輩、月見野先輩、奈津季さん、ジェニー、ロビー。
そしてソフィーから発言開始。
「個人的な質問をさせて下さい。どうもこの学校へ来てからロビーの付き合いが悪くなったのですが、私から修先輩に乗り換えていないですよね」
あ、数値が黄色になった。
でも何とかセーフ。
1周終了して理奈ちゃんの番になる。
そして理奈ちゃんが凄く悪そうな笑顔。
「奈津季先輩に質問です。この次の旅行も東京で夜に行方不明になる予定ですか」
あ、これは見てて面白い。
数字が葛藤するように上下した後、赤表示に。
奈津季さん、決勝進出だ!
そして愛希ちゃんの番だ。
悪そうな顔をした理奈ちゃんがこそっと愛希ちゃんに耳打ち。
そして。
「ジェニー先輩ごめんなさい。ジェニー先輩は二次元の男性同士のカップリングが趣味と伺ったのですが、ご自身は相手を作られないのですか」
あっ。
微妙に緊張感が走る。
主に3年以上の事情を知っている上級生の間で。
そして。
赤表示がついたのだが……
「これは特別ルールで修の負けでいいんじゃない」
何を言う由香里姉。
でも鈴懸台先輩、月見野先輩、香緒里ちゃんの3人はうんうんと頷いている。
「そうだね、異議なし」
「私もこの件は修君の責任だと思いますわ」
「修兄、しょうが無いですよね」
事情通はだれも味方をしてくれない。
そして1年2年の事情を知らないあたりが興味津々という顔になっている。
おいおいまずいだろ。
俺はもう勝ち抜けた筈だぞ。
「それでは特別ルールで多数決を取るわよ。諸般の事情からここでの負けは責任者の修にすべきだと思う人、挙手!」
由香里姉の採決に、何と俺以外の全員が賛意を示していやがる。
ジェニー本人まで手を上げているし。
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