第313話 悪魔なゲーム(2)

「それでは不肖私から始めさせていただきます。まずは軽ーい問いかけからです。

 皆さん、皆さんには彼氏なり彼女なり相思相愛の相手がいらっしゃいますか」


 理奈ちゃん、いきなり全体攻撃に出た。

 何人もの数値が変化し黄色になったりするも、赤くなる者はいない。


「残念!」


 そう言って理奈ちゃんはにやりと笑う。


「では次は私ね。修先輩には実はもう特定の恋人がいる!さあどうかな」


 おいおい愛希ちゃん、いきなり俺に個人攻撃かい。

 だが俺の数値は緑から黄色に一瞬変化したものの、危険範囲から程遠い。

 なにせ自分でもわかっていないからな、当然の結果だ。


「次は私ですよ。『私のプリン専用保管庫、最近減りが激しいんだけど何故かなあ』」


 お、お、見事に反応した。

 奈津希さんと月見野先輩、それにロビーが早々と脱落だ。

 やるな詩織ちゃん。

 でも奈津季さん以外は結構意外な面子だな。

 次はルイスか。


「前から思っているんだけれど、攻撃魔法科って大学終了後の就職口ってどうなんだろう」


 お、半ば自爆攻撃。

 だが最大でも黄色までで赤色は出ない。

 そして次はジェニーだ。


「特区には男の子が少なくて悲しいのれすよ。カプが出来ないれす」


 反応したのはジェニー自身とソフィーで黄色まで。

 そして風遊美さん。


「皆さん、期末試験どうですか?」


 おお、これは赤が出たぞ!

 ジェニーと何故か鈴懸台先輩がここでアウト。

 そして俺の番だ。

 特に思いつかないので由香里姉ごめん。


「大学編入は単位が厳しいと聞いていますけれど大丈夫でしょうか」


 残念、かろうじて黄色に変化した程度。

 流石優等生。


 そして由香里姉の番だ。

 由香里姐はにやっと笑って俺の方を見る。


「そろそろ税金の申告の時期だよね。香緒里、修、今年はどれくらい取られるのかな」


 あああっ、それは!

 俺と香緒里ちゃんが一気にアウトしてしまった。

 やられた、まさかそっち方面で仕掛けてくるとは。

 確かにここ最近、パソコンで帳簿付けながら2人で悩んでいたのだ。


「第1ゲーム終了です。勝ち残りの方お疲れ様でした」


 結局負けたのは鈴懸台先輩、月見野先輩、奈津季さん、俺、香緒里ちゃん、ジェニー、ロビーの7人。

 この7人で第2ゲームを戦うことになる。

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