第299話 次の行事が始まった

 さて、問題は俺のだ。


 モノそのものは抱きまくら。

 長さ120センチ位のなかなかいい感じの大きさだ。


 だが、問題はそれについているカバー。

 厳密にはそのカバーに描かれた絵が問題なのだ。


 片面は、学生会Webページでお馴染みのジェニーちゃん。

 要は萌え漫画化したジェニーの絵だ。

 浴衣姿でこんなのベッドに入れていたら確実にその筋の趣味人と間違われる。


 しかし問題はもう片面だ。

 同じ浴衣姿のジェニーちゃんだが、こっちは帯がはだけて色々危ない絵になっている。


「ジェニー、この絵は何なんだ」

「寂しい一人の夜でも安心なのですよ」


 おい、色々な意味で危険だろうそれって。


「修先輩良かったですね。これで私がいなくても寂しくないのです」


 こら詩織、更に誤解を増すような事を言うでない。

 まあここにいる連中は誤解しないと思うけどさ。


「それにしてもソフィーのタブレット、それ本当に5千円なのか」


 奈津季さん、その意見はもっともだ。

 でも。


「それは俺が買うところを見ていたから大丈夫ですよ。旧型で処理速度が遅いので投げ売りになっていたんです。確か3980円だったかな。それを改造と魔法で処理速度等上げて、最新型並に使えるようにしているんです」


 夏休みに訪れた秋葉原で、ロビーはこれと同じものを3台購入している。

 おそらく課題の機器制御用に買ったのだろうけれど、それをプレゼント用にしたらしい。


 なお、奈津季さんは既にプレゼントのメイプルシロップの瓶を開けている。

 見るとケーキの余りのスポンジ部分にかけ、凄く嬉しそうに口に運んでいる。


 さあ、そろそろ次のプログラムかな。


「さて、お楽しみ中ですがここで次に移らせていただきます」


 香緒里ちゃんのアナウンスが入った。


「ここで来年、フランスに旅立たれます宮崎台奈津希さんへのお礼の贈呈があります。

 奈津美さんは学生会の副会長としてだけではなく、頼れる先輩として、宴会部長として、また専属料理人として私達を導いて下さいました。ここで各人からお礼を込めて記念品を贈呈したいと思います」


 えっ、という感じに固まる奈津季さん。

 今回はこの件、予想していなかったようだ。

 まあ秘密厳守で進めていたしな。

 プレゼントの用意もクリスマス用と平行していたからばれにくかったろうし。


 という事で由香里姉から順番に奈津希さんに渡していく。

 そして奈津希さんのテーブル前に、プレゼントが並ぶ。


「さあ奈津希、皆に頂いたものを見せてあげて」


 風遊美さんの言葉で、まだちょっと戻っていない状態の奈津季さんが一人一人からのプレゼントを開いていく。

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