第283話 俺の4度目の学園祭
学園祭は無事始まった。
それにしても学校行事って毎回学生会長の挨拶があるのだが、これは何とかならないものだろうか。
いい加減慣れたけど、結構事前準備が面倒だし疲れるのだ。
あと委託販売物品は昨日中に創造制作研究会に渡した。
ちなみに委託販売分の内訳は、
○ 香緒里ちゃん制作の刀 20口
○ 詩織ちゃん制作の刀 20口
○ 多属性用魔法杖 3個仕様7、4個仕様5、5個仕様3
○ 医療用特殊魔法杖 外科仕様7 内科仕様7
○ キーホルダー・ストラップ両用超小型杖 40
程である。
それ以外に香緒里ちゃんも詩織ちゃんも数口用意しているようだ。
俺自身も同じタイプの若干の予備と違うタイプの別在庫を作ってある。
そして俺の集大成、ボールペン型も無事完成した。
元になった本物と外見は全く同じだが、少しだけ重くなってしまった。
筐体の裏側を少し削って魔法銀の導線を複数配置し、更に幾つもの超薄型強化魔法陣が丸まって収納されている。
なお全く同じ外見だが設定が異なるものも1本作成した。
これは江田先輩への去年の礼だ。
わざと外見を奈津季さん仕様と同じにしたのだが、気づいてくれるだろうか。
まだどちらも渡していないけれど。
さて、学生会事務局の方は基本は俺と香緒里ちゃんとルイスと詩織ちゃんの4人で回す予定だ。
ジェニーとソフィーは例年通り迷子担当兼取材・広報班。
1年生3人は基本フリー。
何かあった際に個々に連絡を取って対応をお願いする予定。
ただ昨年から開催されている滅多斬り大会はルイスが出場するし、居合斬模範演技の前後には俺、香緒里ちゃん、詩織ちゃんの3人が席を外す。
その際は1年3人にも応援してもらう事になるけれども。
それにロビーは修理魔法使用可能で審査魔法持ちなので、何か装備品等に故障や不具合がある場合は第一対応をお願いするかもしれない。
まあそんなところだ。
開会式が終了した後、俺はのんびり歩きながら学生会室に向かう。
今年も人員的な出だしは好調だ。
天気予報も概ね晴れが続くようだしな。
そんな事を思いながら歩いていた時だ。
「学園祭運営本部から学生会長宛て、EU魔法特区から学生会長宛てのお客さんと思われます。学園祭本部で対応中。なお日本語が話せない模様です」
「学生会長津田了解」
何だろう。
俺にEUの特区からの客が来る予定は無いぞ。
それに俺、外国語はまるで駄目だし。
EU特区というとルイスが適役なのだが、彼は今頃滅多斬り大会予選出場中だ。
とすると……フランス語なら向こうもわかるかな。
「学生会長津田から学生会取材班ジェニー又はソフィー、通訳依頼。学園祭本部までお願いします」
「学生会ジェニー了解」
EUの特区の共通語のひとつはフランス語だし、英語も多分通じるだろう。
なので完全に人頼みだが通訳は北米組に投げる。
それでもまあ、俺も行かなきゃならないけれど。
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