第23章 心なき身にもあはれは知られけり

第280話 まずは近況

 まず近況。

 俺は無事免許を取得し、そしてついでに愛車も購入した。

 軽の1BOXのバン白色、勿論会社名義だ。


 用途は港から会社までのバネ運送用。

 及び会社から飛行場直近の運送会社への魔法バネ運送用。

 今までは運送会社に頼んでいたのだが、自分でやった方が時間も自由だし気兼ねをしなくて済む。


 実のところこのために免許を取得したようなものだ。

 特区にいる限り、普通は免許の必要ないしな。

 なおこの車は飛行機能とかは付ける予定はない。

 その必要も無いだろうし。


 ハツネスーパー直近の会社事務所も大分それらしくなった。

 専用の机と棚を作って、作業の効率も上がったし。


 将来のための例のスペースで、2回程宴会もした。

 マンションと違い宴会後すぐ寝たり風呂に入ったりは出来ない。

 でも足りない物をすぐ横のスーパーで買える。

 これはなかなか強烈な利点だ。

 場所も家の広間より広いし。


 バネ工場が移転した分、学生会の工房も広くなった。

 なので工房のレイアウトも大幅に変更。

 今では刀鍛冶用の場所、汎用工作の場所、自動車バイク整備工場とだいぶ機能的にわかれている。

 工房横にある詩織ちゃんの製鉄場も毎日ではないが稼働しているようだ。


 それに魔法杖や刀の特区外販売も始めたので順調に売上が伸びている。

 この前は北米の特区やドイツの特区からも大量注文があったしな。

 でもこの魔法刀についてもいずれ工房移転とか技術伝承とか考えないとな。

 詩織ちゃんの学生会卒業までは大丈夫だろうけれど。


 あと、免許取得から帰った後、マンションのリビングの一角に見慣れない機器がセットされていた。

 詩織ちゃん作のカラオケマシンだ。

 要は専用コンピュータと7.2チャンネルアンプとスピーカーとマイクを既存の液晶テレビに接続したもの。

 ネット上の音楽を拾ってきてカラオケを楽しめるというマシンだ。


 安直に中古パソコンとAVアンプを接続すればいいものを、わざわざラズパイ2台、アルデュイーノ数台、基盤タイプのデジタルアンプ9台、自作スピーカー、ウーハーを組み合わせて作ってある。

 マイクとマウスとキーボードは市販品だけど。


 困った事になかなか出来が良い。

 一時由香里姉がはまって毎日歌っていたりした位に。

 なまじマンションの作りがいいだけに、他の部屋の迷惑になるからという理由で中止も出来ない。

 困ったものだ。

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