第276話 少し色々整理をば

 食事が終わった後。

 俺は近くの御茶ノ水駅から電車に乗って秋葉原に戻った。

 チェックインのため、ちょっと早めに戻ってみたのだ。


 詩織ちゃんとロビーはもう少し買い物を続けるとのこと。

 なので俺は1人でチェックインを……えっ。

 チェックインはもう終わっていた。

 どうやらジェニーとソフィー組が先に1回戻ったらしい。


 渡された鍵で最初に開けた部屋を見て。

 彼女達が何故一度ここへチェックインしたかよくわかった。

 戦利品の山が積んである。

 薄い本とか薄い本とか怪しいポスターとか危険な雑誌とか。


 彼女達は重くなったこれら荷物を置いて、再び戦いに出たのだろう。

 とりあえず俺も到着と部屋番号をSNSで全員に流し、自分の戦利品を整理する。

 思った以上の収穫だ。


 ついでに洗面所で長旅でたまった下着類を洗濯して干しておく。

 まだ皆当分帰らないから大丈夫だろう。

 俺の場合はこの旅の後、合宿免許が待っているのだ。

 一度実家には戻るが出来れば面倒は少ない方がいい。


 洗濯した下着類を貸出のアイロンで無理やり乾かし荷物整理。

 一段落した頃、スマホからSNSメッセージの通知音がした。

 スイーツ組がまもなく戻ってくるようだ。


 とりあえず下着とかを片付ける。

 ジェニー達の怪しい戦利品は無視だ。

 ひととおり片付けた処で部屋のドアがノックされる。

 開くと風遊美さん、香緒里ちゃん、ルイスの3人。


「あれ、奈津希さんは」

「ちょっとお出かけで、明日には戻るそうです」


 3人それぞれ違う表情に大体察しはついた。

 奈津季さん、江田先輩に会いに行ったな。


「この荷物は」

「ジェニーかソフィーのです。危険物なので触れないように」

 中身がアッー!とかそういうモノだろうしな。


「今日の夕食はどうしようか。まあこんな街だから場所はいくらでもあるけれど」

「どうせ他の組ももうすぐ帰ってくるから、それからでいいでしょう」

「そうですね」

 そこで風遊美さんは俺と香緒里ちゃんの方を見る。


「ところで明日、ちょっと行ってみたい場所があるのですけれど、修さんと香緒里さん、ちょっと一緒にお願いしていいですか」


 何だろう。


「俺はかまいません」

「私も大丈夫ですけれど、何処ですか」


「今はまだ秘密です」

 風遊美さんはふっと笑う。


「それでは明日、宜しくお願いします」


 と、俺のスマホがまた鳴る。

 ジェニー達も詩織ちゃん組も帰ってくるようだ。

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